舞台ディアラヴァ、無事に千秋楽まで終える事が出来ました。

二次元の登場人物が三次元になる際にどうしても起きる
「ひずみ」「ノイズ」
そこに、勝負をかけてみた闘いでした。
カメラワークの存在するアニメなんかと違って、
僕らの場合、一度舞台上(=世界)に降り立ってしまうと、
もう、ずっと、
呼吸はしているし、
何かをみたり、
考えたりしていないといけない。

自分が演じたリヒターと言う役は、
コーデリアと言う女を愛してしまったが故に、
親族全員を敵に回すと言う哀れで愚かな男。

甥っ子を罵倒する瞬間にも、
やっぱり、心は動いてしまうし、
感情って、一色ではなくて、
マーブル模様みたいにグルグル渦巻く。
その感じが、とても辛かった。
自分にしかできないリヒターになったのでは、
と、思っています。

とにかくこの男、恋に破れて、
何百年も世を彷徨ったり(ヴァイパイアなので長生き)

あるときその女が身勝手で奔放過ぎるが故に殺害されたとき、
死んでしまったその女を復活させるために、
女の胸を切り裂いて、心臓取り出して、
他人の心臓に埋め込んで待ち続けてしまうような、

「誰よりも美しいあなたに再び会いたい」
と言うんだけど、
なにせ、心臓移植したわけだから肉体は変わっているのに、
それでも、「あなたは美しい。美しい。」と言い続けるような、

そう言う人物でした。


で、全員を敵に回しながらも女を復活させるのに、
女に利用されていたことに気付くんです。

取り繕うコーデリアと言うその女に言うのが、

「愚かな人だ。今となっては薄汚れたあなたなど私とって不要の存在。」

と言う言葉。
これが、胸が痛いんです。

人間の身としてこの役を演じると、
だって、
嘘だもんな、これ。
何百年も好きで好きで、
コーデリアの血まみれのドレスまで大切に部屋に飾って、
毎晩愛でている、
ってくらいに愛しているくせに、

まあ、怒鳴りつけました、
コーデリアのこと。

「あなたが私を利用していたのではない。
私がお前を利用していたのだ!」

なんて。
で、甥たちと闘うんです。

でも、その途中で、
コーデリアが自害してしまうんだけれど、

ここがねえ、、、

リヒターは、すごい動揺するんです。

だって、
何百年も再会を待ち臨んでいた、
愛するひとなんですもの。

で、
そこのちょっとテンパった隙に、
最終的に心臓を貫かれてしまう。

わっと、あ、ふぁっきん、ばかヴァンパイア。

でもここまで突き抜けたばかを、
僕は愛せてしまうのでした。

語りすぎましたね。
芝居を言葉で説明するだなんて、
お恥ずかしい。

リヒター。
またいつか。

ガラケーの性と言いますか、劇場入り中、
ほとんど写真をとりませんでした。
きゃあ。


お花、ほんとうに、ほんとうに、うれしい。
毎朝劇場入りすると、花に挨拶しに行ってました。

勇気をもらうし、応援してくださるみんなことは、
我が誇り。いつも、本番前の幕裏で、
緊張と闘いながら、顔を思い浮かべています。

これからもっともっと、成長できるようにがんばります。
やれることがいくらでもあることは、
知っているのです。

続編なんかも、なくはないそうです。
まあ、その場合、リヒターが登場するのかも皆目検討つきませんが、
どうか、舞台ディアラヴァ、
みなさんの中で、
ずっとずっと残ってくれる作品であればと思っております。

わたくし、末原拓馬は、
【おぼんろ】と言う劇団を主宰しています。
脚本、演出とともに、出演もしています。
現在、次回公演の企画を立てているまっただ中ではありますが、
もしよろしければ、
いつか遊びにきてください。

http://www.obonro-web.com/


前回公演『ゴベリンドン』の上映会もございます。
よろしければ、会いに来てください。
ものすごくアットホームな雰囲気で、
お出迎えいたします。
http://www.obonro-web.com/#!goberindon-jouei/c1iug


ではみなさん、
また会えること、心の底から願っています。

ありがとうございました!