自分が、ね、振ればポンポン宝物を吐き出す打ち出の小槌ではなかった!てまず知りまして、でもその後、井戸の底を掘り続ければかならず水がある!と言うのを知りまして、そして井戸の底もまた生き物なわけであんまり掘れば出血しますよ耳の奥みたいに!と知ったのでした。だから桶に汲んだのが果たして本当に水であるのかは定かでなくて、目を凝らしてみると真っ赤だったりするかもわからないけれど、まあ要はようやく液体を手に入れまして、物語を紡げまして、昨日は稽古が再開したのでした!

帰宅して次の稽古に行くまでの間、延々さらに手を加え中。スタッフとの打ち合わせも畳み掛けてくる。

地元のサイゼで粘っていたら高校時代の親友に出会い、そやつがこのたび某Jリーグチームのトレーナーになったと知り、共通の知人である小学校時代の親友は来月からバスケの日本代表のトレーナーになるのだと知る。トレーナーになる!宣言してからまっしぐらわき目も振らなかった2人だけれど、そうか、達成したか、しやがったか。「ふっふっふ、勤務先変わりました」と置いてかれた名刺からは翡翠の香りがしたことよ。

さらには、その高校時代の親友は女房連れで、この女房もまたかつてのクラスメイトなのだけれど(そして2人によると恋のキューピッドは拓馬なのだけれど)、なんと10月に子供が生まれるというのである。「結婚した人もサイゼとか来るんだ」とちょっと親近感を抱いてみたらば、「たまには懐かしいとこ行こう、って話になったんだ」と言われ撃沈。ああ、お前は卒業生なのだなあ、と感慨に浸る間もなくサイゼ留年生は文字を書くのを再開する。
 
母「たくったら!」

台所にインスタントコーヒーのお替りをしにいったらば母に話しかけられて、
こちらを見つめる母に、「え?」と続きを促したのがシッパイ、

母「ボロ雑巾みたいになってる!」

しかもちょっと感動気味に。
発見したぞ!みたいなニュアンスで。
相対性理論を発見したアインシュタインのような輝きをもって。言われた。

耳を疑った。

「イウニコトカイテ」と言う表現があるけれど、母はよほどシビアに、言うに事欠いたのでしょうか。欠いて欠いて、「言う」界の天保の大飢饉よろしく、事欠いていたのでしょうか。

瀕死で必死でがんばる息子を朝からボロ雑巾呼ばわりするなんて、きっと、なにか、やむにやまれぬ事情・・・・・・たとえば、「言わないと人質に取られた子供が殺される」とか「言えば子供の不治の病が治る」とか、そういう抜き差しならぬ事情があったのでしょう

・・・・・・て、子供は俺だ!

母は追い打ちをかけるように延々と大はしゃぎで自分の理論を展開する。

「雑巾て使いすぎると、搾りすぎると、水も吸わなくなるし、ボロボロにちぎれてくるし、黒ずむの。」なんかポエティックにうまいこと言ってるのよワタシ的な母。

姉も洗濯物をたたみながら別の部屋から大きな声で応戦。

姉「頭を使うと言うのは脳細胞を分裂させる作業だから、元から細胞が少ない人はきっと苦しいのよ、かわいそうに!」

うん、そうなの、ぼく、かわいそうなの、
ああ、天使が迎えに来た・・・
うふふ、ルーベンスの絵がとってもきれいだなあ

て、ならないから!かわいそくないから!
弟の脳細胞が少ないならあなたもでしょ血のつながった姉よ!
しかも「細胞分裂」とか明らかに適当だし

危うく悲劇の主人公になりかけてパトラッシュと共に天に召されかけた朝でした。

睡眠時間何時間か、と言うよりは“仮眠を何回取ったか”的な生活で、フラフラするほど眠いのにスケジュール的にもメンタル的にも眠れないという「真っ黒な白」みたいなアンビバレントマンは、ここ数日笑えないぜ、的にハードボイルドしたコンディションなのです。ちびまる子ちゃんみたいに、顔に立て線がシャッシャッシャッてなってます。

ああ、なのに、かなしいかな、「や、この状況ちょっとおもしろいだろ」アンテナはへし折れず、結果、こうして低温火傷のようなブログを更新します。湯たんぽります。なんとな~く、あっためます。

生きています。