シュールな夢をみた。

夢なので、特に教訓やメタファーもないのだけれど、
なんだか瞬発的に心が動いたので、
メモがてら、ここに記します。

夢の中で僕は、
ドウシテモと言う名前の黒い猫です。

 
「こんな感情に襲われる自分がおぞましい。
僕は、僕は・・・・・・あなたを、幸せにしたい。」
 
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シュールな夢を見た。
真っ黒猫王国の王様は、
真っ白猫王国の王様が大きらいで、

ぜんぶぜんぶ、真っ白猫王国の逆をやろうとする。

「ごはんをたらふく食べられる国をつくろう!」
と真っ白王国の白猫王が演説すれば、

真っ黒猫王国の黒猫王は、大きな声でこう言う。
「すきっ腹の美学!
なるべくなるべく、みんながものを食べない国が理想です!」
だから真っ黒猫王国では、食事は基本的に禁止。
もちろん、それでは死んじゃうから暗黙の了解で、
みんなコソコソとゴミを漁ったりして食いつなぐのだけれど、
公の場で食事の話題なんてしたら、処刑されちまう。

それでも、
僕は、
真っ黒猫王国で生まれ育ったから、
そんなに違和感はない。

だから、
白猫王の
「隣人を幸せにしましょう!」
に対抗して黒猫王が施行した、

「人を幸せにしたら死刑!」ていう法案にも、
別に異論を唱える気もなかった。

なるべくなるべくボキャブラリーの富んだ罵詈雑言を学んだし、
ひとに何かをされたら、真っ向から唾を吐きかける。
笑ったりしたら誰かを幸せにしてしまうから、
常にしかめっ面で、
自分のことを大事にしてくれようとする人がいたら、
自分がいかに死にたいかを延々と語って聞かせるように努める。

もちろんそれは、
語るための嘘で、本当に死にたいわけじゃない。
死刑にならないために、
いやいや、「死にたい」と語る自分のシュールさには、微塵も気付かない。

笑いもしないようにつとめていた僕は、
もちろん、泣きもしない。。

他人を幸せにしないように努めるこの国で、
いちいち泣いていたらやってらんない。

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そんな僕が、
ある日、ある少女に出会って、恋をする。

という夢。

ここからがいろいろと、
ストーリー展開があるのだけど、ここでは省きます。

ちょっと、想像してもらいたくて。

どんな人と出会ったか。

どの国の?
どんな性格の?
どんな姿の?
どんな運命の?

どんな風に恋に落ちたか。
どんな風に過ごしたか。

で、

どんな風に悩んだか。

なにせ、ラストシーンは揮ってる。

僕は、
真っ黒猫王国の広場の真ん中で、
監視員たちの目もはばからず、

涙を流して膝を着いて、
少女にこう打ち明ける。


「こんな感情に襲われる自分がおぞましい。
僕は、僕は・・・・あなたを、幸せにしたい。」


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そういう夢を、見ました。