80年代アメリカ的なドラッグ・セックス・ロックンロールの派手さや破壊力に憧れた時代はありましたが、

いざ自分がアーティストになってみると、

ドラッグなんて値段が高くて手が出ないし、

「今夜だけは君と踊りたいぜベイビー!」めいた恋愛には興味なさすぎで、会うひと会うひとに芝居の話しかしないから仲間以外は誰も寄り付かない、ばかりか、遊ぶことを時間の無駄と思いかねない精神構造で、

そして致命的なことに、ロックンロールをやろうにも、音楽家ではない。

みたいな。

それでもいまは明確に、自分自信のジャンルや衝動、存在意義が見えています。

どんな業界でもそうだとは思いますが、「俺には確信があります」などと言おうものなら先人からも同世代からも袋叩きになるのは知っているので、

僕はどこまでも「自信がないんです、ショボン」ではありますが、

そもそも、時間もお金も安定も投げ打って、仲間を巻き込んで彼らの家族にまで迷惑かけて、そうまでしてやっていることに、勝算を持っていないなんてこと、あるわけないでしょ。




「どうせ止むつもりなら、あんなに降ったりしないでよ!」

ズブ濡れの少女が、いまやもう晴れた空の下、泣き叫んでいる。

もういいや、濡れちゃお。傘なんて無意味だわ、なんて、思ってたんだ。