20年前には思いもよらなかった自分がここにいる。

良い意味でも、悪い意味でもだ。

ぽつんと地球に立ちすくみ、

将来を悲観して、
ため息ついてから、

息、吸う。止める。

思う。


「だったら、さらに20年後の僕も、今の僕には思いも寄らない僕なのかもわからない」




昨日は思いもよらなかった感情を抱いている自分がいる。

良い意味でも、悪い意味でもだ。

青天の霹靂ひとつで、
易々と重力の反転した地上にぶら下がり、

息も絶え絶え、目をこらす。


四方八方どちらを向いても、
10メートル先にはビル。


地平線なんて見当たらない。


ため息をつく。

吐いて吐いて、
苦しくなるまで吐いて、止める。

止める

止める

止める

体が熱くなって、
頭は痺れて、
指先が震えだす。

吸う。


思う。


「だったら、明日の僕は、今の僕には思いもよらない感情を抱いているかもわからない。」



青天の霹靂を手のひらいっぱいに集めて。

「生きていこう」と思えない瞬間も、生きていこう。

どこかの誰かの笑顔を、
心の底から祈り倒して。