消えた言葉とか約束とか思い出とか、
お墓を出してあげられればいいのに、
ちゃんと、天に昇って行ってるんだろうか。
忘れなきゃ進めないような類のもの、
頭の中にしか存在しなかったもの。
忘れた瞬間に、宇宙のあらゆる場所からも姿を消してしまうもの。
その感覚があまりにも恐ろしくて、
どうしても、消えてほしくないと思った瞬間が不老長寿でいてほしくて、
買うのが、お土産とか。かな。
あと写真。俺の場合は、文章。
達成されるつもりで達成されなかった数限りないエトセトラは、
パラレルワールドの中でやっぱりキラキラ笑っているものなのかしら。
携帯電話は料金未納で止まり、
その他もろもろ、督促状がきてる。
“下駄箱にラブレター”的なダイナミズムで持って、
なにかを督促される日々。
そして、やってしまった。
一週間前に姉からたくされたツタヤへの返却物を、
あぁ、
一度も思い出さぬまま放置していたことに気付く。
なんてこった。
金がないときほど無駄に金が飛ぶ。
そもそも、所持金もわからない。
アルバイトをしても、いくらもらってるのか知らない。
一生懸命部屋を探してみると、そこかしこにいくらか現金がある。
よくない。
よくないことが、ありありとわかる。
ありあり。
ありさんのあくび。
ぞうさんのあくび。
ぱんださんのあくび。
ぱんださん。
行かなきゃなぁ、ぱんださん、みに。
ありとあらゆるパラレルワールドのなかでも、
ぱんださんは、
みにいきたかった。
そして気付く。
あたしは優柔不断だけれど、
あんがい、
“どっちに転ぼうとも、外したくないこと”
みたいのが、ある気がする。
そんでそういうものほど、
雑に使って、外しまくってる気がする。
7月12日。
押しも押されぬ、今年の後半だ。
何してんだ、俺。
なにをしよう。
一番したいことを、してるかな。