『老人と海』の最後の一行、
「老人は、ライオンの夢を見ていた。」
さんざん魚とバトルってたくせに。
おいおい・・・
性懲りが皆無な、くそじじい!
☆
アウシュビッツの悲劇が終わった後に、
ある詩人が
「あらゆる言葉が、芸術が、冒涜におもえる」
ようなことを、言ったとおもう。
毎日うまいメシを食ってること、
デートをしていること、
「マジウケるー」って口にすること。
それらがぜんぶ、
すっとんきょうな気がする。
ちんぷんかんぷんになる。
オハヨウからオヤスミまでに自分で押し並べる、
けっこうな数の言葉たちの意味が。
長年にわたってこの体の中にヨッコラ堆積させてきた
とりわけなけなしのニヒルな哲学をひもといても、
めっぽうシビアなこのシチュエーションに、
立ち向かおうとするのだけれど、
そもそも、
答えがねーわけで、
答えがないというのは、
正解がないということで、
それは、
全部正解!
&
全部不正解!!
という、のんべんだらりと素敵な事態であると思ったのです。
明日、18日に出演が決まっていた、
【PLAY PARK2011】は、とりやめになりました。
そうだ、この告知をしようと思って書き出したのだった、
この文章。
わ。
「そういえば」ぽくいってしまった。
そうそう、そうなんです。
ご予約いただいたみなさま、
ごめんなさい!
でもすごく良心的な、
そんで、勇気のある決断だと思います。
みんなが万にひとつでも怪我なんかしないように、
どうしてもやりたい気持ちで準備をしてきた俺らは、
「みんなを守りたい」
そういう表現をこめて、
今回の中止を受け入れました。
大切な告知を、流れで説明してしまってごめんなさい。
メインごとを忘れて、駄文をガンガン連ねてしまえるぐらいに、
いまは、
だいじょうぶ、
寸分の狂いもなく、日常です。
☆
たかしがスケジュールを管理してくれるようになって、
驚くほど、毎日が輝いている。
クリエイトな仕事に集中できるというのもだけど、
ハエみたいにうるさいやつがそばにいるという感覚が、
ハエみたいにうるさいやつがそばにいるという感覚が、
まぁそこそこにシュークリームで、
カサカサにしか言葉なんか交わさなけど、中に、
とろーんて、カスタード&ホイップな大好物が詰まってる。
別にたかしの大馬鹿トンチキをとりたてて褒めるではなくて、
いま、俺の周りに、
そういう、舌なめずり誘発的なひとが、
たくさんいる。
お菓子が甘ければ、コーヒーも、ブラックでのめる。
「今日死ぬかもしれない」、
なんて、
ギリギリもしくはアウトにデンジャーな哲学だけど、
でもまぁ、そういうつもりで、損はない。
(あ、ごめん、また話題がジャンプした)
用もないのにメールをしてみる。
電話をかけてみる。
皿洗いをやってみる。
以前から興味があった、コンビニのフルーツサンドを食べてみる。
バイトは相変わらずめんどくさくて、
仕事に飽きてギターに手を伸ばしたら数時間がたってて焦る。
くはあ。
いきてるぜえぇ。
イテテに目はつぶれない、
でも、
その傷口が薔薇色だってかまわないはずだ。
とにもかくにも、
体ん中でピンボールみたいのが何千も何万も暴れている感じ。
あの、ビタミンCの栄養ドリンクのなかにういてる、
カラフルでタピオカみたいな、つぶつぶ。
ああいうのが、
ザワザワするぐらいに、
もう、千と千尋のカマじいのところにいる黒いのみたいに、
ワ―――!
て、騒いでる。
この気持ちは、宅配便で運んだほうがいい。
どこに?
もがな。言うわけないだろ。
書きかけていた物語を、書き直してる。
あ、
そんで、
締切を違えたから、
たかしが怒ってる。
あの手この手で取り立ててくる。
「だせ!」とか「お前の文はいい!」とか「まってるよん☆」とか。
太陽と北風がくるくる入れ替わる、ジキル&ハイドな装い。ちくしょう、
カスタード&ホイップは取り下げだ。
老人は最後の1ページでもライオンの夢を見ている。
俺とあなたは、なんの夢をみよう。
ちゃんちゃかちゃん。
俺だってクソジジイになりてーんだ。