『老人と海』の最後の一行、


「老人は、ライオンの夢を見ていた。」


さんざん魚とバトルってたくせに。
おいおい・・・

性懲りが皆無な、くそじじい!


アウシュビッツの悲劇が終わった後に、
ある詩人が

「あらゆる言葉が、芸術が、冒涜におもえる」

ようなことを、言ったとおもう。

毎日うまいメシを食ってること、
デートをしていること、
「マジウケるー」って口にすること。
それらがぜんぶ、
すっとんきょうな気がする。

ちんぷんかんぷんになる。
オハヨウからオヤスミまでに自分で押し並べる、
けっこうな数の言葉たちの意味が。

長年にわたってこの体の中にヨッコラ堆積させてきた
とりわけなけなしのニヒルな哲学をひもといても、
めっぽうシビアなこのシチュエーションに、
立ち向かおうとするのだけれど、

そもそも、
答えがねーわけで、

答えがないというのは、
正解がないということで、
それは、

全部正解!


全部不正解!!

という、のんべんだらりと素敵な事態であると思ったのです。

明日、18日に出演が決まっていた、
【PLAY PARK2011】は、とりやめになりました。
そうだ、この告知をしようと思って書き出したのだった、
この文章。

わ。
「そういえば」ぽくいってしまった。

そうそう、そうなんです。
ご予約いただいたみなさま、

ごめんなさい!

でもすごく良心的な、
そんで、勇気のある決断だと思います。

みんなが万にひとつでも怪我なんかしないように、

どうしてもやりたい気持ちで準備をしてきた俺らは、
「みんなを守りたい」

そういう表現をこめて、
今回の中止を受け入れました。

大切な告知を、流れで説明してしまってごめんなさい。
メインごとを忘れて、駄文をガンガン連ねてしまえるぐらいに、
いまは、
だいじょうぶ、
寸分の狂いもなく、日常です。

たかしがスケジュールを管理してくれるようになって、
驚くほど、毎日が輝いている。

クリエイトな仕事に集中できるというのもだけど、
ハエみたいにうるさいやつがそばにいるという感覚が、
まぁそこそこにシュークリームで、
カサカサにしか言葉なんか交わさなけど、中に、
とろーんて、カスタード&ホイップな大好物が詰まってる。

別にたかしの大馬鹿トンチキをとりたてて褒めるではなくて、
いま、俺の周りに、
そういう、舌なめずり誘発的なひとが、
たくさんいる。
お菓子が甘ければ、コーヒーも、ブラックでのめる。

「今日死ぬかもしれない」、
なんて、
ギリギリもしくはアウトにデンジャーな哲学だけど、

でもまぁ、そういうつもりで、損はない。
(あ、ごめん、また話題がジャンプした)

用もないのにメールをしてみる。
電話をかけてみる。
皿洗いをやってみる。
以前から興味があった、コンビニのフルーツサンドを食べてみる。
バイトは相変わらずめんどくさくて、
仕事に飽きてギターに手を伸ばしたら数時間がたってて焦る。

くはあ。
いきてるぜえぇ。

イテテに目はつぶれない、
でも、
その傷口が薔薇色だってかまわないはずだ。


とにもかくにも、
体ん中でピンボールみたいのが何千も何万も暴れている感じ。
あの、ビタミンCの栄養ドリンクのなかにういてる、
カラフルでタピオカみたいな、つぶつぶ。
ああいうのが、
ザワザワするぐらいに、
もう、千と千尋のカマじいのところにいる黒いのみたいに、

ワ―――!

て、騒いでる。


この気持ちは、宅配便で運んだほうがいい。


どこに?
もがな。言うわけないだろ。


書きかけていた物語を、書き直してる。


あ、
そんで、
締切を違えたから、
たかしが怒ってる。

あの手この手で取り立ててくる。
「だせ!」とか「お前の文はいい!」とか「まってるよん☆」とか。
太陽と北風がくるくる入れ替わる、ジキル&ハイドな装い。

ちくしょう、
カスタード&ホイップは取り下げだ。


老人は最後の1ページでもライオンの夢を見ている。


俺とあなたは、なんの夢をみよう。
末原拓馬の瞬く間-HI3E2529.jpg
ちゃんちゃかちゃん。
俺だってクソジジイになりてーんだ。