行き倒れの横を素通りするひとが、
なんだか無情にみえて、
はぁ、とうつむきため息をしながら、
電車からは降りない自分。
■
稽古場を間違え、
その後も近道狙いがここぞ!とアダになりながら、
命からがら稽古場についた本日。
稽古場は杉並区界隈なのだけど、
今回の稽古が始まってからもう20人以上に道を聞いている。
杉並区民は、善良だ。
自分の方向音痴と、
無計画性を憎みながらも、
おかげでホッコリな「ありがとう!」を言える日々に、
ハイパーなご満悦。
☆
稽古は、やはり楽しい。
仕事のことを楽しい呼ばわりも随分だけど、
楽しいものは仕方がない。
まだね、
“ガムシャラに反復!”みたいには演技プランかたまらず、
少し、
モヤモヤと淡いストレスも携帯中。
がんばりどき。
☆
酔っ払った外人がプラットフォームでボクシングの真似をしてた。
そんなにキレイじゃなくて、
外人フィジカルへのコンプレックスが、
四割二分一厘、解消された。
■
行き倒れはもう起きただろうか。
終電までには目覚めるだろうか。
彼の終電は何時だろうか。
もしかして、
彼は心肺停止状態で、
応急処置が運命の別れ道だったかも知れない。
ありえない話だけど、ありえる話。
あはは、
と自分の想像力を笑いながら、
明日の新聞を広げるのが、
少しだけ、怖い。