末原拓馬の瞬く間-HI3E1957.jpg

行き倒れの横を素通りするひとが、
なんだか無情にみえて、
はぁ、とうつむきため息をしながら、
電車からは降りない自分。



稽古場を間違え、
その後も近道狙いがここぞ!とアダになりながら、
命からがら稽古場についた本日。

稽古場は杉並区界隈なのだけど、
今回の稽古が始まってからもう20人以上に道を聞いている。

杉並区民は、善良だ。

自分の方向音痴と、
無計画性を憎みながらも、

おかげでホッコリな「ありがとう!」を言える日々に、

ハイパーなご満悦。



稽古は、やはり楽しい。
仕事のことを楽しい呼ばわりも随分だけど、
楽しいものは仕方がない。

まだね、
“ガムシャラに反復!”みたいには演技プランかたまらず、
少し、
モヤモヤと淡いストレスも携帯中。

がんばりどき。



酔っ払った外人がプラットフォームでボクシングの真似をしてた。

そんなにキレイじゃなくて、
外人フィジカルへのコンプレックスが、
四割二分一厘、解消された。



行き倒れはもう起きただろうか。
終電までには目覚めるだろうか。
彼の終電は何時だろうか。


もしかして、
彼は心肺停止状態で、
応急処置が運命の別れ道だったかも知れない。

ありえない話だけど、ありえる話。

あはは、
と自分の想像力を笑いながら、
明日の新聞を広げるのが、
少しだけ、怖い。