小学校のときの通知表の成績評価は三段階。

たいへんよい

よい

もうすこし

ちなみにツウシンボの“ボ”は当時のタクマにはおおよそ予想だに不可能な文字であり、
“赤子”を“赤ん坊”と呼ぶがごとく、
“通知表”が“ツウシンボ”になるのだと思っていた。


はなしがそれた。
恐怖の三段階評価についてである。

必死だった。

安っぽい必死さではあるが年齢ひときわなりにみずみずしい必死さだった。
そこそこに勉強したし、先生にテディベアよろしくなウィンクくらいはしたよねたぶん。


アホやよね。
10年前の“たいへんよい”はべつにいまの俺にビールの一本さえおごってはくれない。

結論は、
いまのアレもコレもたいしたソレじゃないから、抜け出してサッカーボールのひとつでも蹴飛ばしたほうがいいよなぁ、だ。

あの日宿題忘れでくらったデコピンの傷は、いまじゃ顕微鏡でもみつからない。