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数年前から リアル人間関係で 何とも付き合いにくい人がいて
その不可解な言動について調べていくと
「自己愛性パーソナリティ障害」にたどり着いた。
いくつかのサイトでの情報をまとめたものですが、ご参考までに。
「人格障害(パーソナリティ障害)」とは
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで
本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患。
認知(ものの捉え方や考え方)や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じる。
注意したいのは、「人格や性格が悪いこと」を意味するものではない。
また、パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質がある。
(うつ病や不安障害、摂食障害、依存症などの背後に境界性パーソナリティ障害があるケースも少なくない。)
パーソナリティ障害と合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティ障害は背後から悪影響を及ぼす黒幕のような病気だということができる。

原因
⑴ 生物学的特性
たとえば、衝動的な行動パターンは、中枢神経系を制御する神経伝達物質・セロトニンが 関係していて、神経系の機能低下によるものだと
考えられている。
⑵ 環境的要因
原因はわからないものの、養育環境、家庭環境、ストレスの多い社会環境、いじめや虐待によるトラウマなどの環境が、境界性パーソナリティ障害の発症に深くかかわっていることが明らかになってきている。

🔷パーソナリティ障害の種類
10タイプに分類されている
A群……統合失調症的な気質があるパーソナリティー障害
独特の思考法、生活様式のために、
対人関係がうまくいかなくなってしまうことも。
風変わりな人と思われることが多い疾患。
(A群に分類される疾患)
・妄想性パーソナリティ障害
・統合失調質パーソナリティ障害
・統合失調型パーソナリティ障害
(注) 「統合失調質パーソナリティ障害」と「統合失調型パーソナリティ 障害」は非常に似た病名だが、症状は異なる。
一例で、社食で自分にとっての定番メニューが廃止された場合、
心の中でその献立をお腹いっぱい食べることを空想して、ショックを
和らげようとするのは統合失調質パーソナリティ障害的な発想。
これに対し、「仲の悪い同僚が呪いをかけたせいだ……」と真面目に
考えるような魔術的思考がある場合は、統合失調型パーソナリティ障 害的な発想があると言える。
B群……感情が不安定なパーソナリティー障害
ストレスに弱く、情緒が激しいため、周りの人を振り回してしまうことがある。
(B群に分類される疾患)
・反社会性パーソナリティ障害
・境界性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
・自己愛性パーソナリティ障害……○無関心型
●過敏型←知人のケースに酷似
(注) 境界性パーソナリティ障害の「境界性」というのは、精神病と神経症の境界にあるという意味である。
C群……不安や恐怖心が強いパーソナリティ障害
周りの目や自分に対する評価が強いストレスになる。
(C群に分類される疾患)
・回避性パーソナリティ障害
・依存性パーソナリティ障害
・強迫性パーソナリティ障害
知人のケースが、B群の自己愛性パーソナリティ障害の過敏型に
共通点があったので、詳しく調べてみた。
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🔷 自己愛性パーソナリティ障害のタイプは大きく2つに分類できる。
⚪無関心型(無自覚型)
他人の反応に無頓着であり、自分に夢中である。
⚪過敏型(過剰警戒型)
他人の反応に敏感であり、傷つきやすい。
🔷自己愛性パーソナリティ障害とは
「自己愛性パーソナリティ障害」という名称は、一見「自分大好きな人たち」という印象を与えがちだが 、「ありのままの自分を愛せない」障害。
心の底には強い劣等感、コンプレックス、 自己無価値感が渦巻いており、もろく崩れそうな自尊心を「他者から肯定的に評価されること」で保っている。
○自分大好きや自己中とは根本的に違う
単に自己中な人は自分大好きで、自分のやりたいことをやっていられれば人にどう思われようと構わない。
批判されても嫌われても我が道を行く。人の評価に左右されない自分を持っている。
それに対し、自己愛性パーソナリティ障害の人たちは、一見自分大好きに見えるが、実は自信がない(自分が嫌い)ので人からどう思われるかを異様に気にする。

🔷自己愛性パーソナリティ障害に見られる特徴
○話が長い
いったんきっかけを与えられると、かわいそうな自分話を1~2時間ぐらい一方的にしゃべる。
人とコミュニケーションをとる際の「尋常ではなさ加減」が見極めるポイント。聞かされる相手が疲れてきたから話を変えようとするとまた話を戻す。
○自分のことばかり話す
何を話していても、すぐに自分の話題に持っていくのが特徴。
人の話には全く興味がなく、人が話しているのをじっと聞いてられない。
他の人が話しているときは、次に自分が喋るタイミングばかり見計らっている。
そして、ちょっとでも間が空くと、ここぞとばかりにまくし立てて喋る。
人の話の腰を折るのは得意。
他の人が話している最中でも、言葉を強引にかぶせて話し始める。
話し始めると止まらず、相手の反応は気にせず、自分が満足するまで喋り続ける。
このように、相手の視点を考えることなく、自分の視点でしか物を見れないのが自己愛性人格障害の特徴。
会話も一方的で相手の話を聞いていないので、会話に相互性がない。
○同じ話を繰り返す
自分の話を否定しない人を探しては同じ話を延々とする。
何回聞いてもらっても満足しない。
○特別扱いされたがる
いかに自分が特別で目立つ存在か、
些細な経験(例:初めて行った店で顔を覚えられた、友達によく相談さ れる)を繰り返し話す。
「すごいね」「印象強いんだね」などと賞賛されたがる。
○やたらとテンションが高い
感情表現が豊か過ぎて一緒にいると疲れる。
人からの評価を過度に気にするので、好かれるために
明るい性格を無理に演じているが、実は心の底では孤独で
自分の無力さを感じている。
表向きの明るさは自信のなさを隠すために社交的に振る舞う
「不安の防衛的性格(躁的防衛)」であることが多い。
妙にはしゃいだり、不自然に明るかったり、わざとらしい親しさを
ふりまいたり、内面の自信のなさを「はしゃぎ」で隠している。
実は「何でも話せる親しい友達」がおらず、皆に好かれたい気持ち
が強いので、極端なまでに周囲の人の期待に応えようとする。
しかし、どこかその明朗さは異様に不自然に見える。

○人から傷つけられたと落ち込む
基本的に「他者とはいつ自分を裏切り傷つけるかわからない敵である」
という意識があり、防衛心が強く、少しでも否定されれば敵と認識して 排除し、人を信頼することが出来ない。
他の人が些細な指摘、反対意見を述べる、興味のなさそうな顔をするなどのちょっとした否定的な反応にも強い不快感や怒りを感じる。
そのような些細な拒絶にも「生命の危機」レベルの強いストレスを感じて
過剰な情動反応を起こし、抑うつ状態の原因となる。
被害者意識が強く、些細な指摘でも過剰に反応し、相手の意見を受け止められず、自分の行動は棚上げで、相手を悪者にし、反省することが出来ない。
○「昨日の友が今日の敵」
100か 0でしか物を考えられず(白黒思考)、両極端な対人評価をするので、些細なことで人間関係が不安定になり良い関係が長続きしない。
自分を承認してくれる人は、自分の全てを承認してくれるはずで、
少しでも批判されると、その相手は自分の全てを否定したと思い込んでしまう。
自己評価が不安定で情緒が落ち着かないため、器が小さく、些細な批判・反論・ 訂正ですら冷静に受け入れることが出来ない。
一度でも自分に批判的・対抗的な態度を取られると、相手のことが許せなくなり、 「おかしな言いがかりをつけてきた悪者」に仕立て上げ、逆恨みする。その相手と人間関係を修復することが難しくなる。
○思い通りにならない人を無視したり軽蔑する(全否定の対象)
相手が自分の期待通りの反応をしてくれる時は寵愛するが(理想化)、
褒めてくれない、感謝が足りない、賛同しない、相手にしてくれないなど
思い通りにならないと途端に全否定の対象となり(脱価値価)仲間はずれにする。
それまで良い関係を築いていても利用価値がなくなったり 、不快感を与えたこと対する敵意がまさると関係が一変する。

⚪記憶障害と妄想
過去の対人関係の記憶を自分にとって都合の良いように無意識に改ざんする。
また、自分に非がある出来事が起こると受け入れる事が出来ず、空想の世界に逃げ込んだり、都合の悪い事を喪失(解離性健忘)する事がある。
周囲から見れば「嫌な事をされた事は執念深く記憶しており、逆に自分が攻撃 した事は一切忘れ、嫌な事をした相手を怨み続ける」というように、自己中心 的な存在であると受け止められる。
記憶の改ざんを行うと共に妄想もするため、それが上手く当てはまる状態にあると、事実ではない事を事実であるように話し出す。
例えば、自分が誰かに対して暴力を振るいやり返された経験を、自分が相手に 暴力を振るわれたと記憶を改ざんし「無抵抗の自分に暴力を振るった」として相手を非難する事がある。
また、自分が誰かに何か良い事をした事はずっと記憶として残るが、誰かに良 い事をしてもらった記憶は簡単に喪失してしまうため、相手に対して感謝する事が出来ない。
(誰かから良い事をしてもらうのは当然の事である、という認識をしていることもある)
もし自分が他人に褒められるようなことがあれば、いつまでもその記憶は持ち続け、何度でも周囲に褒められたことを自慢するという特徴もある。
他にも、数分前の出来事であっても、自分にとって都合の良い記憶に改ざんするため、発言内容が数分前と比べて矛盾している事が多く、周囲の人を混乱させる事がある。

⚪被害妄想で自分自身を苦しめる
本人が「常に人から見られている」「周囲の人から嫉妬されている」と思い込むことで神経質になりすぎることや、気持が落ち着かないということでイライラする。
特に、自分の思うようにならない時は、八つ当たりをすることで発散することもある。
被害妄想がエスカレートすると、周囲が自分を陥れようとしている、近隣の人に監視されいると思うことで自分自身が苦しくて辛くて行き場のない想いに駆られてしまう。
このように精神的に幼くて脆くて崩れやすいという一面を持つ。
⚪自分の状態に気づいていない
本人が自分の障害を受け入れられないため治療が難しいと言われる。
自覚できる方は症状が軽いと言える。
🔷自己愛性パーソナリティ障害の人を
サポートする側の注意点
共依存に注意
共依存とは他の人の問題を解決することに一生けんめい(献身的)になり過ぎること。
誰かの役に立とうとするのは、もちろんいいことで、周囲の人に認めてほしいとか、好かれたいと思うのも、自然なことである。
しかし、その結果として、自分自身がどんどん苦しくなったり、相手に不快な思いをさせたり、一生けんめいやればやるほど状況が悪化するのであれば、背景に共依存の問題があるかもしれない。
世話の焼き過ぎ(過干渉)は相手の自立を妨げることになる。
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共依存セルフチェック
○犠牲になっていないか
誰かとの関係で、自分ばかりが責任やリスクを負ったり、気持ちを押し殺したりしていないだろうか。
○乗り出しすぎていないか
相手が決めたり考えるべきことまでやってあげたり、指示したりしていないか。 その結果、相手の甘えを招いていないだろうか。
○自分を追い立てていないか
困っている人を助けないと悪いという罪悪感、みんなに好かれなければダメだという考え方、完ぺきな自分にならなければという思いこみなどで、自分を過剰においたてて てていないだろうか。

🔷自己愛性パーソナリティ障害の人にとって
付き合いやすい人とは
⚪周囲の意見に流されやすく、自分の意見が言えない
自己愛性パーソナリティ障害の人にとっては最高のターゲットになってしまう。
常に自分の意見に同調する様に仕向けられ、奴隷の様な扱いを受けてしまう場合がある。
⚪面倒見が良く、なんでも話を受け入れてくれる
自己愛性パーソナリティ障害の人は甘えたがりな部分もあり、甘やかしてくれる人に懐く。
その上、何を言っても否定しない人であればその人の周りに常に居つくようになる。
今回、いろいろ調べてたのは その知人に
「パーソナリティ障害」というレッテルを貼って 偏見で見るのではなく、
障害の特性を詳しく知ることで
当人の妄想や他の人の悪口などに振り回されずに
上手く付き合って行くための指針にするためです。
人間、誰にでも変わったところや性格の違いや個性があるから
「人格障害」もひとつの個性として 接していこうと思う。
自分の場合は「共依存」しやすいと分かったので、それにも要注意です。