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震災直後の岩手県釜石市の遺体安置所での知られざる十日間を描いた
「遺体 明日への十日間」を観て来ました。
きっと涙が止まらなくて、どうしようもないほど泣いてしまうんじゃないかと思ってたけど、
泣けませんでした。。
亡くなった方々に申し訳なくて、感傷的な気持ちなんかじゃ見れない。
そんな気持ちになりました。
映画であっても すべて 実話ですから。。
西田敏行さんが演じる 釜石市の民生委員の相葉常夫は

次々と遺体安置所に運び込まれてくるたくさんの遺体に
もと葬儀屋に勤めていた経験を生かし、市長に申し出て
安置所のボランティアを始めます。
それまで物のように扱われていた遺体を 生きている人と
同じように扱い、同じように言葉をかけるのです。
「ここにあるのは死体ではなく『ご遺体』なのだ」
それは 地元の人たちにとっては かけがえのない愛する家族であり、大切な友であった。
そのご遺体に対して 人間としての尊厳を付し、 極限状態の中であっても出来る限りのことを
して送ろうと努めた人たち。 この遺体安置所の十日間にある 「真実」 は、どこの報道メディア
でも伝える事が出来なかったものです。 http://www.reunion-movie.jp/
私は震災後、 被災した主人の実家の泥出しに行ってるんですよ。
電気も通らず、火の気もない真っ暗なところで
丸二日間、汚泥と海水との格闘でした。
浸水した家って、海水をたっぷり含んでいるから、底冷えがして氷のように寒い。
家の中なのに 長靴が埋まるぐらい泥がたまって グチャグチャと音がする。
そして、あの汚泥の臭い。。
体中に染み付き、洗っても洗っても 数日間は鼻先で臭いがした。。
映画を見たとたん、あのすべての感覚が甦ってきて。。
頭上を飛び回るヘリの爆音…
昼も夜も ひっきりなしに聞こえる 救急車のサイレン…
頭がしめつけられるような痛みと吐き気と眠れない長い夜。
硬直し麻痺した こころ。。
私でさえもこうなのだから、
実際に経験した方には辛いでしょうから 無理には お勧めしません。
でも、実際に被災地を見たことがない方は ぜひ、観て欲しいですね。
私たちが唯一出来ることは、震災の犠牲になられた方々の存在を
自分の身内のように いつまでも記憶に留めておくことしかない。
同じ日本人として どんなに辛くても
けっして目を背けてはいけない事実だと思うんですよ。