今年の3月にも採り上げましたが、実は2011・3/11の大地震直後、
気象庁では大津波を予測出来ていました。
では、なぜ、それを正確に伝えなかったのか。。
気仙沼出身の衆議院議員、小野寺五典氏がその真相を明らかにしています。
今回はよりわかりやすく 文字に起こしましたので、ぜひご覧下さい。
この情報はただしさんのブログから お借りしたものです。
今回の気象庁の「津波予報」のおかげで、多くの人が死にました。
実はこの事実は震災直後から知っていました。
だけど言いませんでした。
恐らく国会でこれを取り上げると、原発事故よりも
もっと大きなウネリになって 責任者追求になって
復興予算を取るその前に 何人も大臣が
辞めるハメになるかもしれない。
そう思って敢えて言いませんでした。
ただ1年が経って、最近、全国で地震が多くなってきた。
これはもし津波が起きたら、同じことが起きると思って この間、敢えて質問をさせていただきました。
実は「三陸沖に津波が来る」と、以前から「99%の確立で津波が来る」と
言われていたから 沖合いにブイを浮かべていました。
そして津波が沖から襲ってきたら 津波の高さでそのブイが持ち上がる。
即座に人工衛星で 「沖合○○mのブイは、今何メートル高くなった」
そうすれば沿岸に何分後に到着して、「○○町の○丁目に○メートルの津波が来る」
このような予報システムを造っていたんです。

宮城県南三陸町志津川 予測をはるかに超えた巨大な津波によって 数分で町は消えた
今回、津波が来ました。 この予報システムは完全に当たっていました。
気象庁にもデーターは送信されてるんです。
沖合いの津波計、4メートルを越える津波が来たのが測れた。
経験則からいうと 「これは最大20メートルは越える。」
とんでもない津波ですよ!
ところが気象庁は何をしたか。 このデーターを無視したんです。
そして気象庁が発表した津波の高さは
「宮城は最大6メートル」、
「福島、岩手は最大3メートル」。
だから、陸前高田では3メートルだったら、水門閉めれば津波は来ないんですよ!
消防団はみんな行ったんです。水門を閉めに…
南三陸町では最大6メートル。 だったら 2階にいれば大丈夫だったんです。
だから防災庁舎に残って、最後まで町民に知らせたんですよ。
大川小学校ではどこに避難したらいいか 6メートルだったから判断を迷ったんです。
実際に来た津波… 最大16メートル。 ビルの5階でもダメかもしれない。
いちばん遡上した高い潮位は40メートルですよ!

宮城県気仙沼市 気仙沼湾に押し寄せる巨大津波 波の高さは10メートルを超えた
これ気象庁が後で言っているんです。
「予報が間違った」…
そして「せっかくの津波計の情報を無視した」…
何で無視したか知っていますか?
沖合いの津波計を設置したのは 国土交通省の「港湾局」。
津波の予報を出すのは 国土交通省の「気象庁」。
役所が違うからダメだ。
実はこの問題は、私は前にも国会で質問していたんです。
「なんとかしろ!なんとかしろ!なんとかしろ!」…。
「この津波計の情報を気象庁が直接使えるようにしろ!」と。
後で議事録を見たんです。 いつ質問したんだろう…
質問した日は衆議院の災害対策特別委員会、2010年の3月11日…
震災のまる一年前の日に 実は質問をしていました。
今でもあの時の情報がしっかり使えてもらえれば、
こんなことにはならなかった。
それを悔いています。
そしてこのことは気象庁にもしっかり伝えました。
気象庁も実は知っていました。

岩手県宮古市田老 堤防を越える巨大津波 「万里の長城」と呼ばれた防潮堤も破壊された
今回の平成24年度予算では、三陸沿岸だけじゃなくて、
これから東海・東南海沿全体にこのブイが設置されます。
そしてこの情報はきちんと使うとそう明言しています。
そして最後におそらく報道で見たと思いますが、
津波の最大高さというのは もう出さないようにしよう。
このよう今回は改善をしてもらっています。
ぜひ私達の経験したこのような辛い経験を いまどこで起きるかわからない。
全国のみなさんには 二度と味わっていただきたくない、そういう思いでありました。
2012年12月5日現在の震災の死者は1万5870人、行方不明者は2846人。