
隣の病室の老人は 明け方ずっと 何か大声で叫び続けていた
夢の中の呼び声に あわてて飛び起きる
夢の中の呼び声に あわてて飛び起きる
蒸し暑さで開け放たれた窓
風に揺れるカーテン
不覚にも異変に気づかなかった
三人の看護師たちが テキパキと処置をしている傍らで
恥ずかしさで消え入りたかった
不覚にも異変に気づかなかった
三人の看護師たちが テキパキと処置をしている傍らで
恥ずかしさで消え入りたかった
帰りたい
でも 確かめるかのように か細い声で娘の名を 呼ぶ
幼子のようなこの人を置いては行けない
還りたい
誰もが 若くて頼もしかった あの日々に