2023年2月24日木曜日

 

東京から甥っ子が遊びに来ているので、2月のスキー休みにアウシュビッツをメインとした7泊8日の旅行に行きました。4日目です。

 

ホテルを7:30には出て、バスターミナルを目指します。8:05発のバスです。アウシュビッツには9:30着の予定。ポーランドではアウシュビッツのことをオシフィエンチムと呼びます。でも切符売り場では、アウシュビッツで通じました。

バスのチケットはこんな感じでレシートみたいです。大人1人19PLN、子供1人17PLN...大体€4位です。

アウシュビッツ行きは大型バスでこんな感じの車両でした。乗り心地も良かったです。始発に乗って終着駅がアウシュビッツ。途中何駅か止まりますが、途中で降りてはだめです。

アウシュビッツ博物館の専属ガイド中谷剛さんと10時に待ち合わせをしていました。この日のために中谷さんの事前予約をしていて、子供も小さいためプライベートガイドとしてお話をしてもらうことにしました。中谷さんは厳しいアウシュビッツ博物館の試験をパスされた公認ガイドで、ガイド歴25年になるそうです。とても分かりやすい説明をしてくださいました。

 

入館には身分証が必要でした。長蛇の列もガイドつきということで並ばずにすぐに入れました。写真撮影は可能ですがここは観光地では無いので、遺族に配慮して集合写真とか記念撮影とかは遠慮する必要があります。

収容所内では反ナチス活動家、共産主義者、ロシア軍捕虜、同性愛者、ポーランド政治犯、ロマと色分けで囚人たちは階級をつけられていますが、その中で一番低いとされていたのがユダヤ人だそうです。

 

ドイツ兵たちは自らの手を汚さないため、監視役の囚人を作り、他の囚人を痛めつけました。監視役の囚人も同胞の囚人を痛めつけなれば、ドイツ兵に命を奪われてしまうのです。この囚人を囚人に監視にさせるシステム・・・結構衝撃でした。

強制収容された人々の写真↓ですが、ほとんどポーランド人でユダヤ人は少ないそうです。最初の頃はこうして連行されてきた日と死亡した日が記載されています。この行為は収容所の存在を国際社会に証明するためで、報告書も収容名簿も作られていましたが、どんどん収容者が増えていき仕切れなくなるにつれ・・・無尽蔵にガス室で殺された人たちにはこうした証明写真はないそうです。

子供達曰く「嫌な予感」がしたとのことで、騒がずに静かにいられました。疲れて歩けないのでずっと抱っこにおんぶで、私たちは大変だったけれど。子供たちには事前にアンネフランクの映画を見せたり、簡単にアウシュビッツのことを説明していましたが、ここは騒いで良いところではないようだ、と分かったんだと思います。

 

実はアウシュビッツ博物館では14歳以下の子供の見学を推奨していません。保護者同伴であれば年齢関係なく見学は可能ですが…ちょっと残酷な展示もあったりするし、ガイドの説明も難しい内容だったり…騒いで良いような場所でもありません。中谷さんによると、他者との違いを認識しだして、偏見や差別の意識が芽生えてくるのが14歳位。小さい子供は誰とでも仲良くできるので、人種差別の意味自体が分からないし、ましてやホロコーストは理解できないだろうとのこと。そういう意味でも14歳以下の子供の見学を推奨していないとのことでした。

 

生還したと思われるユダヤ人の男性がユダヤ人の若者に語り継いでいらっしゃいました↓。もう歩けない位高齢で白い小さいバスのようなもので移動されていました。昔は生還者のガイドもたくさんいたけれど、亡くなったり高齢化が進みなかなか難しいようです。

残されていた大量の眼鏡。

義足が並べられた部屋↓。身体障害者や精神障害者は生産性がないとして、社会の効率を考えたドイツは徹底的に排除を行いました。なのでドイツ人でも収容の対象でした。

こうなることは予想していたけれど、子供たちを安心させるためにわざわざ生活用具を持参した人も多かったとのこと・・・↓

差別されないようにハイヒールを履いてちゃんとした格好で来た人たちも多かったそうです。

子供達の靴が胸を締め付けます。

 

鞄には最後の全財産が入っているので、自分の名前と住所を書きました。

ユダヤ人はお金持ちが多い、という偏見、ステレオタイプ。実際は多くのユダヤ人は長い年月虐げられていたので裕福な人たちは一握りだったとのことです。多くの人はあまり裕福ではなくどちらかというと貧乏だったとのこと。

 

そしてここはガス室↓

中はこんな感じです。シャワーを浴びるからと言われて、洋服を脱がされて部屋に入れられました。そして天井からチクロムBという殺虫剤を入れられて、殺されました。でも、すぐに死ねたわけではなく、5-10分は断末魔の叫び声が続いていたということで・・・相当苦しかったでしょうね。

ガス室で亡くなった遺体を隣の焼却炉で焼くのだそうです。ここに遺体を重ねておいて焼きます。この辛い仕事は同じユダヤ人の囚人たちの仕事にされました。ドイツ人はやりません。

 

途中無料バスでビルケナウに移動します。5分位です。

ピーク時の1944年には90,000人が収容され、そのほとんどはユダヤ人でした。

軍医の「選別」を受けている所です↓。 分け方は 労働用、検体(人体実験用)、価値なしの三つです。ほぼ7割以上の人々が、「価値なし」と 選別され、列車から直接ガス室に送り込まれました。特に子供たちとその母親、老人、病人はガス室行きです。

 

ドイツが敗戦濃厚になってきた際、ドイツ軍によって証拠隠滅のために破壊されたガス室↓

囚人たちはこの階段を下りてガス室に入りました↑。そして服を脱がされました。

 

1944年にはここの航空写真もばっちり撮られていて↓、アメリカ軍もガス室を空爆しようと思えばできたはずなのに、しませんでした。ドイツ軍需工場の爆破を優先したそうです。世界大戦後半では世界中がホロコーストを知っていたのに、誰もやめさせられなかった…。私が住んでいる中立国のスイスですら、大戦中、約30万人がナチス政権下の国々から逃れるため国境を越えましたが、そのうち約3万人のユダヤ人は強制送還となったそうです。

ビルケナウの収容棟は残されているのは多くなくて、収容棟に使われていた木は戦後復興のために再利用されたので、残っているのは暖炉ばかり。当時のポーランドの冬はマイナス20度にもなるそうで、暖炉はついていましたが…暖炉の周りに陣取ったのは囚人の監視役の手下たち。残っているバラックの中を見学しましたが、すきま風が吹いてとても寒そう。

残された収容棟は老朽化のため保全修理が行われていました↓写真右側。高いガイド料の大半はこういう修繕費に回るとのことです。

ほとんどの人はこういう↓貨車に乗せられ、着いたらすぐにガス室に送られました。

欧州連合では戦後の賠償というよりも、教育をしていく方に舵をきっているとのことでした。ヨーロッパ中の中高生がここを訪れて勉強するそうです。

 

このような不の世界遺産を人類が新たに作り出さない為にも、この傷跡を後世に残し続けていかなければいけない為の重要な場所だと思います。

 

アウシュビッツ博物館見学前はホロコーストの作品を見ましたが、どれも憂鬱な気持ちになるものばかりで、博物館に行くのが怖いし、本当に嫌で仕方がありませんでしたが・・・行ってみたら、ここを訪れることができて良かったと思える場所でした。

 

中谷さんにおすすめされたDVDや自分で見たホロコーストの作品を載せておきます。

・縞模様のパジャマの少年 2009年

・アンネ・フランクと旅する日記 2022年

・ライフイズビューティフル

・夜と霧

以下は自分で見たもの。

・家へ帰ろう(The Last Suit)2018年

・BBC アウシュビッツ ナチスとホロコースト(6話ありますが生還者や元SS隊員などのインタビューが多く入っています。アマゾンプライムで視聴)

 

13時過ぎにガイドが終わり、また無料バスでアウシュビッツ強制収容所1に戻りました。13:45の帰りのバスに乗るため、トイレとランチを買いに走りました。ランチは近くのホテルレストランもありますが、はやくクラクフに戻りたかったので博物館内の売店で買いました。ここは正直高いですが、パンは暖かくて美味しかったです。博物館への寄付と思えば高く無い!!

 13:45発のバスに無事乗れました。チケットは運転手から直接買います。クラクフに着いたのは15:30前。

クラクフ駅直結のショッピングモールの電気やさんでアダプター探し。翌日夫氏は早朝からオンライン会議なのだそうです。次男はバスで寝ちゃって以来、熟睡で微動だにせず。


旧市街にまた行きました。

↓織物会館

 ↓聖マリア聖堂

 ↓教会内部

その後子供達を夫氏に見てもらい、陶器を買いに。ポーランドの陶器、めちゃめちゃ可愛いです目がハート


行ったお店は3軒、でもそのうちの2軒は経営者が同じだし隣同士。その同じ経営者のお店はこちら↓



↑↓この2つのお店が同じ経営者のお店。

可愛い陶器ばかりで、全部持ち帰りたい!!至福の時間…

でももらった時間は40分くらい。なので急いで物色、物色、、、

そして、3軒目はこちらのお店↓  実は上で紹介したDecorArtとMila は通りを挟んで向かい合っているお店!!なので見比べがしやすい!!



↑↓Mila の店内

このスープ皿のデザインが気になって↓

Milaの人に聞くと1つ50ユーロ位とお高め…で、Decorartに戻って同じデザインを探したら一つ20ユーロのデザイン発見!!でも確かに模様が比べると地味…なのでここで少しお安めのを4つ買い、ちょっとお値段のはる可愛いデザインをMila で2つお買い上げ目がハート

上の二つが高いデザイン。下の二つが安めのやつ。安めのを4つで全部で6皿購入。

可愛くて大事に持ち帰ってきました飛び出すハート飛び出すハート

夕飯は少女漫画の世界のようなお店でいただきました泣き笑いお店の中が薔薇で埋め尽くされている〜。お料理はポーランド料理で美味しかったです。U Babci Maliny 






長い1日でしたがよく頑張りましたキメてる