いわゆる平成ゴジラ世代。川北監督のVSシリーズを崇拝する私。もちろん過去作は全て目を通していて自分なりのG像が確立されています。
それゆえか前作のシンゴジラは久しぶりの国産G。しかしあの監督だしな…と期待と不安が入り混じったなかで映画館に赴き、結果的に受け入れることができませんでした。この題材はゴジラである必要がない。監督の趣向性が溢れすぎて自分のなかのGを冒涜されたような、そんな荒んだ気分になってしまったものです。さらに同作がヒットすればするほど拗ねる…自分は世論に迎合するもんかとますますひねくれるといった面倒くさいゴジラファンなんです。
ということで今回、期待値を極限まで下げて観に行ったゴジラ-1.0。
映画館に入る前と出た後でテンションが真逆になる理想的な状態！これは度肝ぬかれました。あとちょっと怖かった。
ゴジラ作品の根底にある社会問題については、反核よりも反戦に大きく舵をきってましたね。いや特攻の扱いについては賛否が分かれそうだと思いつつ、雑感をまとめますと主人公の精神史を縦軸に、Gの脅威や様々なものから突き放された環境など途方もない現実に後退りしながら向き合って立ち上がった人達のうねり。あとほとんど地獄絵図なんですけど目の前で繰り広げられる実景が娯楽作品としても心地良く、感服しました。
色々とつっこみ所もあるんですけど、こういう時代ですし、素人玄人含め考察され続けるのはゴジラ映画の常でしょうからあえてここでは書きません。とにかくトータルで面白い。特に自分のように前作で拗ねちゃったファンにはオススメかと…
あと来年にモノクロ版も上映されるとか？また行ってみようかと思います。