57.忘れられたがん | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

脂肪肉腫は稀少がんです。前回のブログで引用しましたが「忘れられたがん」とも言われています。特に腹腔内の場合、手術できる医師が限られています。
それゆえ私が今回の治療、手術を通して感じたことは診療科の問題です。
(これは、あくまで個人的見解です。)
脂肪肉腫が、腹腔内以外にできた場合に担当するのは主に整形外科の先生です。四肢や背中などです。しかし、腹腔内の場合は、整形外科の先生では手術はできません。お腹を開けることは、整形外科の守備範囲外なのだそうです。
それでは、お腹を開けられるのはどの科かというと、主に消化器外科です。しかし、消化器外科も一般的には臓器別です。食道、胃、腸、肝臓、膵臓などです。それぞれの分野ではプロでも、臓器ともいえない脂肪肉腫がお腹の中に入り込んだら厳しいようです。
外科手術を検討するときに、私は大腸外科の先生と話をしましたが、脂肪肉腫と言った途端に、すぅーと引いて行く気配を感じました。「忘れられたがん」なのです。
さらに、多くの場合、血管を巻き込んで腫瘍が発達するため、手術が一層困難になります。私の場合も、手術ができないの理由のひとつとしてこのことがありました。
権威ある某がん専門病院では、出血が止まらず手術室から出てこれないと言われました。手や足のケガで出る出血は、血液が凝固してすぐに止まりますが、身体の内部での出血は止まりにくく危険が大きいのです。
もともと稀少である上に、腹腔内にできると手術できる医師が限られてきます。
前回紹介したキュアサルコーマセンターに「キュアサルコーマボード」というコーナーがあります。ここには共同治療連携病院の医師が載っています。腹腔内の脂肪肉腫を摘出できそうな医師がいる病院を、私の勝手な見解であげると、「新山手病院」「渕野辺総合病院」「熱海病院」くらいです。
アメーバブログで肉腫の手術を受けられた方が、他にも多くいらっしゃることを知りました。病院の名前を書いている方もそうでない方もいます。
今現在、「忘れられたがん」ゆえに、「難民」となっている患者さんがいるかもしれません。手術を受けられた方で、病院の名前を言ってもいいというかたは是非、ブログに書いて欲しいと思います。
病状はケースバイケースですが、それを知ることで「難民」が救われるかもしれません。