42.合併症 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

手術には合併症がつきものです。私の場合も例外ではありません。
小さいものでは、右脚の太もも付近のしびれ。
これは、手術直後の集中治療室にいるときからありました。最初は、麻酔がまだ効いているのかと考えていましたが、その後も取れないでいます。ただ、それほど生活に支障があるわけではないので気になりません。いや、気にしないようにしています。
次の合併症は、胸水。肺に水が溜まることです。これも手術直後から発生しました。レントゲンを撮ると左肺に最大で2リットルもの胸水が確認できました。手術の際の大量の輸血や輸液で浸透圧のバランスが崩れて溜まったものと思われます。
手術後1週間ほどして、外から注射器を刺して抜きました。急に抜くと危険なので850mlほど。特に自覚症状はなく、呼吸も普通にできましたので全く苦になりませんでした。
最後に、これが一番の曲者でしたが膵液漏。脂肪肉腫が膵臓とも癒着しておりこれを剥がした時に、膵臓が傷つき膵液が外に漏れたのです。
これが分かったのは、食事を初めて流動食から三分粥に切り替わったころです。
食事を摂るとその直後から強烈な痛みが腹部を襲ってきます。傷口の痛みとは違い、内臓の中のほうでよじれる様に痛みます。
汗が額から滝のように流れ落ちてきます。
2時間ほど我慢すると少し落ち着きを取り戻します。
このころは、とにかく栄養を取らないといけないといけないと思い、それほど量はありませんでしたが、一生懸命に食べていました。
落ち着いてくるとまた次の食事の時間です。
恐る恐る食べ始めると、またあの激痛がきます。
さすがにこれは変だと思い、先生に相談するとすぐに採血や腹部の管から出ている液体をいろいろ調べてくれて、膵液漏が判明しました。
膵液とは膵臓が産生する消化液であり、タンパク質・脂肪・糖類を分解する酵素を含んでいます。通常、腸内に分泌される場合は問題は起きないが、外側の腹腔に膵液が漏れた場合、自分の組織を消化するように溶かしてしまうことがあります。
私の場合は、血管を結紮(縛ること)して、脂肪肉腫や腎臓を切除したため、最悪の場合は結紮したところから大出血を起こす可能性もあると説明をうけました。
でも、ちゃんと治療をすれば大丈夫と元気づけられました。
一難去ってまた一難。一筋縄では行きません。