ご報告



こんにちは〜!

キリン担当です。

嬉しいご報告です!

610日に

キリンの赤ちゃんが産まれました*\(^o^)/*

性別はオス!

もう可愛くてたまらない



今日は長くなりますが、メープルとユルリの赤ちゃん誕生についてお話します。


2021323日の発情を最後に、

2週間に1回くる発情が来なかったため、

妊娠を疑っていました。

キリンの妊娠期間は平均450日。

よって、

2022616日を出産予定としていました。


まず妊娠は、

・発情の有無

・糞中ホルモン検査

・エコー検査

・お腹の大きさ

などで判断します。

そのほか、出産予定日が近くなると、

・胎動

・外陰部の膨らみ

・乳頭の膨らみ

・粘液排出

などなど


お腹の大きさを1ヶ月に1回撮影して記録していました。お腹が大きくなっていることが分かる写真を6枚並べてみますね。



お腹が大きくなっていくのが分かりますね!

徐々に外陰部と乳頭の膨らみが明らかになり、そのうち胎動も見られるようになりました。


ユルリは初産。

育児放棄の場合、人工哺育となるため、そのための準備をしていました。当園では2部屋しかないため、部屋と部屋の間の通路を人工哺育スペースとして使うしかありませんでした。

そのための準備とミルクメニューを考え、シミュレーションをしていました。



ユルリは、

とくに警戒心が強く神経質な性格のため、産まれてきた仔にびっくりするのではないかという不安と、多摩動物公園出身のため群れ育ちだから大丈夫であろうという期待と半分半分でした。



69

18

ユルリがソワソワしてる

落ち着きがない、乳頭を何度も気にする。

いつもの時間に座らない。

陣痛がきていると判断した。


610

250

ようやく座ったが、40分で立ち上がる。

落ち着きがない。

産まれるかも。

それから1時間おきにユルリの状態を確認した。(目覚ましなしで起きましたよ笑)


9

私は休みだったので、

自宅でライブカメラを見ていた。

相方が乳頭から透明の液体が出ているのを確認し、連絡をもらった。

私は相方に、外に出してもいいけど、午前収容をお願いした。


10

外に出たユルリは餌を食べた後、

落ち着きがなかった。

私は、掃除後すぐに収容することを相方にお願いした。


1130

無事に収容。

収容してすぐ餌を食べるはずが食べない。

落ち着きがない。

これは産まれるかもと思いつつも、

カメラから目を離せず、まだ家にいた。


1208

後肢を広げて分娩姿勢をとった。

これまで尾上げ(尾を上げるが何も排泄されない)は頻繁に見られていたが、完璧な分娩姿勢は初めて。


1212分 再び分娩姿勢

そろそろ向かわないと

カメラをきって動物園に向かう。


1215

相方から前肢が出た!と報告あり。

まもなく動物園到着。

人工哺育道具を持って、

走ってキリン舎に向かった。

羊水の入った袋が前肢から垂れ下がっていた。

ここから2時間以内に産まれることがベスト。

羊水の入った袋に尻尾が当たってバシャーンと落ち、驚いて小走りに。

このままだと生まれたら走って仔を踏んでしまうかもそんな不安がよぎった。

一方で仔の前肢がピーンと動いた!

生きてる!頑張れ!


1355

もうすぐ2時間が経とうとしてたとき、なかなか頭が出てこず不安が増していたところ、ようやく鼻先が見えた!

仔が口を動かし呼吸をした瞬間ほっとした。

そしてまもなく後頭部まで出てきた。

そのあとユルリの力む鼻息とともに徐々に身体がずり落ちてきて、残りわずか!


1405

出産!

産まれた瞬間、ユルリはボーッとしていた。

そのあとくるっと振り返り、クンクンと臭いを嗅いで、ペロッ。

あーよかったー!!!

ユルリが仔を受け入れた瞬間だった。

仔のそばから離れず、何度か仔を舐めて、自力で立ち上がるのをずっとユルリは待っていた。

何度も何度も転んでは立ち上がり、

思いっきり転んでも大丈夫なように、

砂はモリモリ。

頑張れ頑張れ!


1537

起立!!!よく頑張った!

と思いきや、ユルリと壁に挟まり転ぶ


1547

2回目の起立!!!

そこから転んでもすぐに立ち上がれるようになった。 




1606

授乳確認。二口ほど。


1752

授乳確認。



1825

胎盤が出た。

胎盤を回収し重さを図ると6.9kg

砂が多少ついてるとはいえ結構な重さだった。

羊水や尿で濡れてしまった砂のうえに新しい乾いた砂を追加投入した。

しばらく観察するものの穏やかであったため、1930分に帰宅した。


翌日から仔はよく寝るし、掃除中の私にも近寄ってきて臭いを嗅ぎに来てくれたり。

私と仔がコミュニケーションをとっていてもユルリは怒りもせず寛容。


その後もミルクをちゃんと飲めているのか、量が足りているのか、と緊張状態は続いたが、生後7日齢で安定した授乳を確認でき、11日齢でユルリの食べるものに興味を持ち始め、葉をつまんでみたり、興味津々。


ユルリは徐々に食欲が戻り、糞も出始め、出産してから4日後、ようやく短時間だが、座るようになった。そして今は食欲モリモリ!


一方で、メープルはというと

出産当日はジーッと仔を目で追っており、夜間は一度も座らず緊張状態が続いてた。翌日から、夜間はいつも通りに休憩し、落ち着いた様子だったが、仔が歩き出すとソワソワ落ち着かない様子。

その後、日中にメープルの檻の扉を開け、ユルリの檻にメープルが近寄ると、仔を目で追い興奮気味に。仔が目の前に来た瞬間、檻を蹴った




キリンのオスは、親という認識はありません。

特にメープルはユルリが来た時も排除行動を見せていたので、仔に向かって蹴ったことについては驚きはしませんでしたが、これは完全に拒絶反応です。

この状況では、メープルと仔はすぐに同居することはできません。当園の外放飼場は柵で区切られていないため、メープルと母子を別々の場所で外に出すことができません。

また母子だけで外に出してしまうと、メープルが室内で大暴れすることが想定されます。

できれば3頭一緒に外に出てもらいたいところですが、現在は、メープルだけで外に出る練習をしているところです。

今しばらくお待ちください。



また不定期ですが、ユルリと仔も柵越しですが顔を出すことがありますので、ユルリが顔を出していたら仔も顔を出すかもしれません。



そしてメープルと仔は毎日お見合いをしており、すこーしずつですがメープルが仔を受け入れ始めてるように感じます。




それでは最後に、

出産動画を公開いたします。

担当の声が入っています。あまりにうるさいので一部音声消しています。ボリューム注意。