ご無沙汰しております。

キリンシマウマホッキョクグマ担当です。

春になりました。

今年の冬も無事に乗り越えることができました。最低気温マイナス20度、凍結路面となる帯広市の環境でキリンを飼育する難しさ。

現在の獣舎では、みなさんにキリンの展示を満足にご覧いただけないので申し訳なく思っていたので、昨年12月の冬期開園から新たな取り組みを始めていました。殺到したら困るので、特にお知らせもせず、足を運んで下さり看板を見て理解してくれた方向けに行っていたものです。


題して「キリンの人見知り克服大作戦」



お客様をキリンのいるお部屋に案内してガイドを行うために必要な作戦でした。

外ではお客様に対して緊張しない2頭ですが、室内ではお客様が来ると、とても緊張してしまうのです。特にユルリ…


最初は緊張していたユルリでしたが、回数を重ねるごとに穏やかな顔で居られるようになりました。特に小さなお子様への緊張が強く、おそらく普段室内で見ることがない小さな身長なので、慣れるまでに時間がかかりました。

参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

これ目当てで来ていただたり、静かに餌を食べるまで待ってくれるお子様や大人の方、大変嬉しかったです。


コロナもあり、大人数で室内に入ることを達成できずでしたが、4名くらいまでならお子様がいてもストレス反応も出ず、大成功でした。

あとは15名くらい室内に入ってもストレス反応が出ずに落ち着いていられるかどうか

コロナが落ち着くまで実践できなさそうで残念です。  




それから、担当外ですが、3月からアメリカバイソンのハズバンダリートレーニングを始めました。バイソンの蹄が伸びているからトレーニングをして欲しいと獣医師から相談を受けました。

バイソンは、キリンと同じウシの仲間ですが、性格はキリンと正反対で、気性が荒く、当園の個体は、サファリパーク出身個体のため、飼育員との距離感がかなりある個体です。

しかしながら、蹄が伸びてしまうということは、今後関節に少なくとも影響が出るかと思います。


そこで削蹄(蹄を整えること・爪切り)が必要となりますが、削蹄には、麻酔を使う方法とハズバンダリートレーニング(以下、ハズトレ)で行う方法が考えられます。


※ハズバンダリートレーニングとは

動物が健康管理に必要な動作をとれるようにするためのトレーニングのことをいいます。


麻酔で行うことは、削蹄の時間が短時間だけど、動物の負担が大きい。

ハズトレは、できるかできないかも含め時間がかかるが、成功すれば動物の負担はなし。継続的な削蹄が可能。


そこで、キリンのハズトレのノウハウを活かしてバイソンもやってみよう!となった次第です。。。

序盤の序盤ですが、こんな感じです。


全く身体を触れなかった状態から始め2週間。

サクラコは、肩のほうをタッチしても堪えてくれるようになりました。

グランは、同じことをすると激怒するので、もう少し時間がかかりますかね〜


バイソンはですね、

舌のザラザラがすごくて、

手が赤くなるほど痛いのです。

食べ方も下手で、すぐ怒るのです。

焦らすとすぐに遠ざかるのです。

柵に頭突きすることもあります。

人間への不信感がヒシヒシと伝わるのです。

すみません。愚痴が…。


今考えているトレーニングの段階としては、

前肢を触れるようにする

臀部を触れるようにする

柵に身体を寄せてもらう

蹄を触れるようにする

削蹄

となります。


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