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    おび内科・漢方クリニックのブログ

       鎌倉で内科、漢方、胃カメラ、大腸カメラのクリニックをしています。診療の合間につれづれなることを発信していきます。

みなさんこんにちはもみじ

 

いよいよ10月ですね。暑かった夏がおわります。

 

10月からはインフルエンザとコロナウイルスのワクチン接種がはじまります。

 

ワクチン接種はご本人の意思に基づいて行われるものですので

 

接種しよう!

 

接種したくない!?

 

迷っている?

 

といういずれの場合も間違いではありません。

 

ご自身の価値観にのっとってご判断ください。

 

 

私のスタンスは基本的にワクチン接種に賛成です。

 

過去100年以上の医学の歴史において、ワクチンが感染症から人命を救ってきました。

 

その方向性に間違いはありません。

 

最近、話題の帯状疱疹ワクチンや子宮頸がんワクチンも確実に病気の予防につながります。

 

 

天然痘ウイルスの根絶に至る過程で一番初めに種痘を行った、日本人の緒方春朔や英国人のジェンナーの功績をみれば

 

・感染症はワクチンで予防する

 

・親の代から曽孫の代まで切れめなく継続する

 

・約200年後に感染症を撲滅完了

 

という人類の4世代にわたる壮大なプロジェクトだったと言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、ワクチン接種後に死亡された方もいらっしゃいます。

 

得体のしれない副反応に悩まれている方もいらっしゃいます。

 

それを恐れて、ワクチン接種をしないという決断も全く間違いではありません。

 

この議論は最終的に、個人がどの程度のリスクを許容できるかという判断になります。

 

悩ましいところではあります。

 

 

しかし、別の見方もできます。

 

リスクをとって接種をされた方は長い人類の歴史のなかで、感染症撲滅に貢献したという言い方もできます。

 

逆にワクチンの安全性を不安に思って接種をしないという判断をされた方たちのおかげで、より安全なワクチンが開発される方向に向かうとすれば、人類全体への大変な貢献であると思います。

 

このようにワクチン接種は個人の問題であると同時に、社会全体の問題であり、後世の人類全体に関係するテーマです。

 

そのような視点を持ちつつ、ご判断いただけたらと思っております。

 

 

前置きが長くなりましたが

 

帯状疱疹を発症される方が増加している印象があります。

 

 

予防には帯状疱疹ワクチンが有効ですが(⇒こちらをクリック

 

それでも発症してしまう方が一部いらっしゃいます。

 

ワクチン接種をなさっていない場合で、睡眠不足や過労やストレスなどを感じている方はどうぞご注意ください。

 

 

もし発症してしまった場合、できるだけ早く抗ウイルス薬を服用することが悪化させないために大変重要なのですが

 

帯状疱疹の初期に患者さんがご自分で的確に診断することはとても難しいです。

 

※実は我々医師でも迷うことがあります

 

なぜなら、帯状疱疹の特徴的な水疱は発症して数日たたないと皮膚にでてこないからです。

 

ではどうやって見分けたらよいかコツをお伝えします。

 

①かゆくない発疹は帯状疱疹かもしれない

 

帯状疱疹は最初、神経痛からはじまり、痛みがひかないまま数日経過すると

 

皮膚に赤い発疹が出現します。

 

その後、水疱となって、やぶれてジュクジュクした湿疹に変わっていきます。

 

皮膚に赤みが出たときにかゆみがあれば、いわゆる虫刺されや、アレルギー性の湿疹の場合が多く、普通のかゆみ止めや軟膏で処置してよいのですが、痒みがないときは帯状疱疹を疑って病院を受診なさってください。

 

②感じたことのない神経痛は帯状疱疹かもしれない

 

帯状疱疹の初期症状は簡単に言うと神経痛です。ジンジン、ズーン、ビーン、ジワー、ビリビリ

などの普段経験したことがないような、痛みが初期に感じられます。

 

患者さんを拝見していると皆さん一様に

 

「あれ、なんだろうこの痛みは?」と

 

首をかしげながら受診されます。

 

「この痛みは帯状疱疹です!」

 

といって受診される人はありません。

 

患者さんからすると、打撲でもなく、筋肉痛でもなく、内臓の痛みでもなく、なんだろうという痛みです。

 

それが、1日たつごとに、はっきりした激痛に変わっていき、3-4日目に発赤と水疱がでてくるので診断が確定します。

 

しかし、できれば、「あれなんだろうこの痛みは?」の段階で治療を受けたほうが後遺症を残すリスクが減ります。

 

もし、よくわからない、経験したことがない、じわーんとした痛みを感じたら、帯状疱疹かもしれないと思ってください。

 

③腹部全体、背部全体の痛みや発疹は帯状疱疹ではない

 

帯状疱疹は背骨の近くにある神経節という部位に潜んでいて、過労や免疫力が低下したときに発症します。

 

この神経節から体の方に神経が伸びているのですが

 

右側の神経節は体の右側を担当し、左側の神経節は同じく体の左側を担当します。

 

したがって、体の半分(中心から右側、または左側)にしか、痛みも発疹もでません。

 

お腹全体とか、背中全体とか、顔全体とか、両手、両足に発疹がでるという場合は

 

帯状疱疹ではない別の病気を考えます。

 

もし、神経節が右と左でつながっていたら、右の神経節からでてきた帯状疱疹のウイルスが左にもいってしまい、全身が発疹と水疱で苦しむことになるのですが、そうはなっていません。

 

その理由は、人体は基本的に右側がダメージを受けたときに、反対側にはダメージがいかないように分離して構成されています。

 

目が二つ、耳が二つ、手が2本、足が2本あるのは、片方にハンデをおっても、もう片方で生きていけるように

 

というリスク分散の意味をもって進化の過程で決定されたと考えられています。

 

例えば飛行機のエンジンは右と左についていますが

 

これは万が一

 

右のエンジンがダメになっても、左のエンジンで飛行できるように、分離して設計されています。

 

そのような理由で、帯状疱疹は体の半分にしか発症しないということを覚えておいて下さい。

 

皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました予防接種