おびクリニュース2024年11月号を転載いたします。
Q.マイナ保険証にすると自分の医療情報が病院やクリニック、薬局で共有されるので、メリットがあると聞きました。普通の保険証では医療情報の共有はできないのでしょうか?
A.マイナ保険証のメリットの一つとして、医療情報の共有がうたわれています。
しかし、情報の即時性がないという重大な欠点があります。
どういう事かと言いますと、たとえば、あなたが1週間前に咳と発熱でクリニックを受診したとします。そこで、お薬が処方され服用しますが、1週間しても改善せず、呼吸困難となり、家族に連れられて総合病院の救急外来を受診します。
救急医は以前に処方された薬は効果がないと判断し、異なる薬を処方することを考えます。
そこで、1週間前に処方された薬を調べるのですが、マイナ保険証を使っても1週間前の薬の内容はわかりません。
なぜなら、2か月たたないとデータが登録されないからです。
そのため、昔ながらのやり方で、おくすり手帳を調べるか、患者さんや家族から聞き取りをします。
つまり、マイナ保険証は医療情報の共有とは名ばかりで、ただ古いデータを図書館のように保管しているにすぎません。
インターネットやテレビにはニュース速報がありますが、マイナ保険証にはデータ速報がないのです。
もし、インターネットやテレビが2か月前のニュースしか報道しないとしたら、皆さんは、それらを毎日見るでしょうか?
おそらく、みないでしょう。
医療データには即時性が求められるのに、マイナ保険証のシステムは、その発想がなく作られました。
つまり、患者さんや医療関係者が一番必要としているデータの即時性という面で利用価値が全くないシステム、それがマイナ保険証です。
なぜ、こうなったかというと、マイナ保険証導入の目的が政府や経済界が国民の膨大な医療データを集めて、ビジネスに利用することだからです。彼らは大量のデータさえ集まればよいので、愚かにも即時更新の機能がなく、救急医療の場面で役立たなくても構わないと考えたのです。
しかし、安心してください。「さくらネット」があります。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/108882/01_siryou.pdf
「さくらネット」は神奈川県の湘南地域周辺【横須賀市、鎌倉市、逗子・葉山、横浜市(戸塚区、栄区、金沢区)、藤沢市】の病院、クリニック、薬局、訪問看護ステーション、居宅介護事業者が通院中の患者さんのあらゆる医療情報を共有するシステムです。
検査データや処方内容は24時間以内に更新されます。レントゲンやCTの画像も共有できます。
2024年10月から運用開始となったばかりですが、現在、32病院、74医科診療所、1歯科診療所、74薬局、88訪問看護ステーション/居宅介護サービス事業者の合計269施設が参加表明しています。
当院も加盟申請中です。
もともとは横須賀共済病院が中心となって横須賀市だけでスタートしたシステムですが、非常に好評なため神奈川県が後押しする形で県内にひろがっています。
将来は大学病院なども参加する予定です。
このシステムを作った会社は株式会社ヘルスケアリレイションズですが、高知県全域ですでに稼働の実績をもっており、信頼できるシステムです。
これを利用するには、患者さんがあらかじめ「さくらネット」に自分の情報を登録しておくことが必要です。
そうすると、万が一救急搬送されたときに、普段通院しているクリニックや病院でもらっているお薬や検査データが速やかに救急病院で閲覧可能となり、診断や治療に大いに役立ちます。(ただし、通院されている医療機関がさくらネットに参加していることが条件となります)。
しかも、患者さんは無料で、紙の保険証の情報さえあれば登録可能です。
私は早速登録しました。詳しくは「神奈川県 さくらネット」で検索してみて下さい。
マイナ保険証をはるかに上回る医療情報の共有が可能となり、あなたの健康を守ってくれるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました![]()
