新薬と漢方薬と養生訓 その2 |     おび内科・漢方クリニックのブログ

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       鎌倉で内科、漢方、胃カメラ、大腸カメラのクリニックをしています。診療の合間につれづれなることを発信していきます。

江戸時代の学者、貝原益軒(1630-1714)が遺した『養生訓』の一説に

「択医」と言う項があります。(択医とは”医者を選びなさい”という意味です。)

<良医を択ぶ=良医と俗医と福医> 
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・根底に学問があって、医学に精通し、医術に心をくばり、多くの病気をみて、その変化を心得ているのは良医である。

・医者になって医学を好まず、医道に精進せず、医書も読まず、かりに読んでもよく思考し工夫することをせず、理論に通じることなく、あるいは医書を読んでも旧説にとりつかれて時代の新しい説を知らないのは、いやしい職人=俗医である。

俗医のなかには、利口にたち振る舞うものがいて、医学と治療とは別問題で、学問は病気を治すには必要ないものだといい、自分の無学を弁明し、人情にたより、世事にたけて、権力者や上流階級の人々にへつらって近づき、虚名を得て、好運にも世間にもてはやされるものが多い。これを福医もしくは時医というのである。
  
たまたま時機にあってはやる医者を良医と思ってはいけない。その医術は必ずしも信じられない。

参考図書:貝原益軒、伊藤友信 訳、養生訓 全現代語訳、講談社学術文庫
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時代が変わっても、なんども読み返すにふさわしい、含蓄のある文言です。

医療に流行り廃りはないはずですが、人は「たまたま時機にあって流行る医者(薬)を良医(良薬)と思ってしまう」ものなのです。

したがって、医者や薬を選ぶときは新しいものより歴史の長いもの、多くの人に飲み継がれているものから選択することが無難だと思います。

ダイエット法やサプリメントも同じように思います。

流行や宣伝に惑わされず、長く多くの人に愛用されているものから選ばれることが無難でしょう。


ただし、新薬がすべて悪いと言う事ではありません。

”旧説に取りつかれ、時代の新しい説を取り入れない”というのは愚かな事と書かれていますから、新しいものを全て拒否する姿勢はナンセンスです。

新旧さまざまなものが混在する世の中ですが、本当の意味で賢い選択をされるよう、患者さんには流行り廃りの魔法にかからないように、ご注意頂きたいと思います。