こんにちは。
今日もご訪問ありがとうございます。
いつも励みにしています。
9月になり、吹く風はやはり真夏とは違いますね。
冷房なしでは居られない暑さはあっても、
何となく朝晩の気温は季節の変化を感じます。
そんな悠長なことを言っているのが大変申し訳ない本日。
台風の脅威にさらされている方は
どうぞ安全第一にお過ごしください。
テレビニュースでも再三言われていますが
命の安全を最優先に行動なさってください。
私の自宅でも、今日は天気の変化が激しく、
気持ちの良い晴天だったところが突然のゴーっという音と共に、
すさまじい土砂降り、
20分後にはカラッと止んで再びの青空。
そんなことが3回ぐらいありました。
やはりそれも台風の影響なのでしょうか。
何はともあれ、本日は台風の被害が最小限になりますように
お祈りいたします。
「石の花」、前回の続きです。
《石の花 後編》
結婚式を抜け出して銅山へ行ってしまったダニールシコの帰りを、彼の師匠プロコーピイチと共に待つカーチャ。
年老いたプロコーピイチを助けるために
カーチャは石工の使い走りを手伝います。
やがてプロコーピイチは亡くなり、
一人残されたカーチャはそれでも彼を待ち続けます。
見よう見まねで覚えた山での石切りで、カーチャは石を切り出しては街へ売りに行くようになります。
するとダニールシコの噂を耳にするようになり、とうとう一人で銅山へ分け入ってダニールシコを探し出そうと決意するのです。
銅山の女王はカーチャが訪れたことを知り、
行く手を妨害し捉えてしまいます。
また一方、ダニールシコに対して、このまま山で石細工の作業を続けて、自分たち、神々のための作品を完成させるか、
ここでのことをさっぱりと記憶から消して家に帰るか、
決断を迫りました。
この銅山では、ダニールシコは夢にまで見た
本当の石でできた生きた花を見たのです。
そして銅山の女王のもとで神々に捧げるための本当の石細工を作るために、何もかも忘れて没頭していたのでした。
女王の言葉によって、プロコーピイチのこと、カーチャのこと、
結婚式を抜け出したことを思い出したのです。
ダニールシコは女王の元での石細工より、
本当に大切なことは愛するカーチャの元に戻ることだと言い、
山での記憶をすべてなくしてでもいいから家に帰して欲しいと頼みます。
これまで、何もかも忘れて石細工に没頭してきたダニールシコ、
女王にとってはそれは思ってもみない返答でした。
ですが、女王は約束通りカーチャと一緒にダニールシコを山から帰します。
下山した二人は結婚し、石細工職人として幸せに暮らしました。
《おしまい》
もとは伝承の民話ではありますが、とても異色な物語では無いでしょうか。
薄々お気づきと思いますが、ダニールシコは
今で言う発達障害だったのでは無いでしょうか。
人と目を合わせられなかったことや、
一つ事に没頭すると他のことは全く忘れてしまうこと、
そしてその集中力でずば抜けた才能を開花させること。
そういったちょっと風変わりなタイプの人間をお話の主人公に持ってきたことは、とても希なことだと思うのです。
「主人公は心ある人々に出会い最後は幸せになる」、
物語はこうでなくちゃと思いますが、
現実の世界でもこうでありたいと思います。
マラカイト(孔雀石)は子供を危険から守るという意味があります。
ダニールシコが人に恵まれて心も体も才能も育まれてきたように、
マラカイトが子供の成長を守ってくれると良いですね。