終わってしまった展覧会


seanary展−三田村光土里氏作品-


グリーンのガラスかフィルターで透けさせることでなのか、または別の方法でなのか

その場の空気をも爽やかなグリーンの空気を醸し出した、ひとつの部屋。


 そこに一歩足を踏み入れただけでもう

異世界に誘われた気持ちに浸れてしまう。

ほかは元々、ここにあった椅子やテーブルなどの調度品であったようだが、それすらこの緑の光を浴びているところを見ると、わざわざ作品のために準備されたもののようにも見える。そこに浮かぶ透明なアクリル板で象られた、紳士のような人型のシルエット。この邸の主であった、古川為三郎をイメージした人型かなと思う。


 キャプションを見て、まさにそのとおり。洋間として設えられたこの部屋には、明るい陽射しが燦然と降り注ぎ

いっそう、空気を爽やかなグリーンに彩っている。この日の天気は曇。

しかも午後を少し過ぎてその光も弱まったころだが、この室のふんだんに外光を取り入れた、モダンな造りだ。





 そのグリーンの空間こそが

観るからに、基の邸内とは異なる雰囲気を演出しているのに

この、吹き抜けのような2階の一室を訪れた人は

普段の雰囲気とは異なることに気づかずに

通り過ぎようとしているように見えた。


なのでつい、「今、ここで現代アーティスト展を開催中で、この部屋はアーティスト三田村光土里さんが装飾なさったお部屋です」などと

誰にも頼まれてもいないのに

ガイドのように声をかけて説明をしている自分が不思議🫢で、かつ滑稽。

 それを聴いた人たちも

「あー なるほど。」「へー!」などと言いながら去って行く。


 昨年の愛知県美術館コレクション展出展の

三田村氏の作品同様、グリーンの光は懐古の光。

古き良き往時に自分たちを誘う仕掛け。

お屋敷の別の場所では、古き時代のセピアの写真が飾られていた(たぶん、古川為三郎の写真だと類推される)


 それは、この邸の外を覆う緑の木々の庭を模しているのかもしれないし

なによりグリーンはご自身の名前の響きから親和性を感じる色なのかもしれない


とちょっとつまらない駄洒落な推測に遊んでみる。









 (仮に自分の名前が〝きみ〟だとして、そこから類推させる卵であったり、たまご色の黄色にいつも自然と親和性を感じてるみたいに🍀)


と、邸の浮遊霊としてそこにいる為三郎がニヤッとウィンクしているのが見えた🎵

そう、画面中央に飾られた円状の鏡の向こうで。


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