便秘の新薬 | ひねもすのたりのたりかな

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今日は便秘の新薬「リナクロタイド(リンゼス®️)」の講演会でした。

便秘薬の定番といえば酸化マグネシウムですが、今年に入って新薬が登場しました。

海外では既に販売されていましたが、日本でも処方出来るようになりました。

今までの便秘薬と大きな違いは

腹痛のある便秘
が対象という点です。
酸化マグネシウムは刺激性や依存性のない使い勝手の良い薬ですが、様々な薬を飲まれていたり、腎機能の低下している方にはちょっと使いにくいところがあります。他に薬を飲まれていることの少ない若い方には良い薬ですが、高齢化社会では非刺激性下剤として他の選択肢も必要になってきました。

当院でも数人の方に既に処方していますが、まずまずの手ごたえです。便秘は生活の質=QOLを下げるだけではなく、生命予後、平たく言えば「寿命」にも悪影響を及ぼすことが科学的にも証明されています。
アンケートをとると便秘を病気ととらえていない方が約半数おられるようですが大腸がんとの関連性を指摘する研究もあります。

食事や運動といった生活習慣の取り組みも大切ですが、便秘の治療法も副作用の少ない新薬の登場で進歩しています。スッキリしない毎日をおくられているようでしたらご相談ください。