新しいものが使えないことがある! 500円玉の不思議な現象とは?。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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新しい500円玉が使えないシーンとは

1つは、地下鉄の券売機。例えば、2台並んだ機械の硬貨投入口に微妙な差があります。1台は何も異変はありませんが、もう1台には[新旧500円玉のイラストが並び、新のほうに大きく×印が表示されたシール]が貼られていました。

 

もう1つは、ある路線バス。車内の一角に[新旧500円玉のイラストが並び、旧には〇印とOKが、新には×印とNGが表示されたポスター]が掲示され、新500円玉に関して「千円札または他の硬貨をご用意いただくか、交通系ICカードでご乗車いただきますようお願いいたします」とそのバス会社のコメントが記載されています。

 

鉄道やバスでもキャッシュレス化が進んでいます。スイカ(Suica)やパスモ(PASMO)などの交通系ICカードを使い慣れていると、「このおカネを機械が受け付けてくれない!」といったトラブルに遭遇するケースは意外に少ないかもしれません。

新500円玉。どこが変わった?

財務省のサイト「現在発行されている貨幣」(※1)を見ると、新旧500円玉の概要がわかります。旧(ニッケル黄銅貨幣)と新(バイカラー・クラッド貨幣)は、大きさ(直径)も同じで、デザインも同じように見えます。何が変わったのか。同省のサイト「解説!新しい500円貨」(※2)に詳しい説明があります。

 

「2種類の金属板をサンドイッチ状に挟み込む『クラッド技術』でできた円板を、別の種類の金属でできたリングの中にはめ合わせる『バイカラー技術』を組み合わせた」。そして、通常貨幣(大量生産型貨幣)への導入は世界初となる「貨幣の側面に施されている斜めギザの一部(上下左右4ヶ所)を他のギザと異なる形状にしたもの」など、最新のさまざまな偽造防止技術が分かります。

 

新500円玉は素材が3種類に増えて、重さも実は0.1グラム増えています。券売機やいろいろな自販機で、重さや側面のギザの違いなどセンサーのプログラム設定を変更(追加)して改修しないと500円玉だと認識されずはじかれてしまう。そんな状況が推測されます。

券売機や自販機を改修するのは大きな負担

たくさんの券売機や運賃箱を保有する交通機関にとっては、機械の改修費用負担も多大になります。ほぼ対応済み・対応済みと対応未了が併存・対応していない。会社によって状況も分かれるようです。

 

交通機関以外でも、小さいお店などで対応していないところは多いでしょう。機械の改修や買い替えの負担は重いし、旧500円玉を用意しておいてお客から指摘があればその都度新500円玉と交換すれば済む話。そんな受け止めかもしれません。

 

また、多くの券売機や自販機は硬貨だけでなく紙幣も扱います。そうした機種にとっては、2024年4月から9月に発行される予定の新しい紙幣(1万円札、5000円札、1000円札)への対応もわずか2年後に迫っているのです。

 

改修は2回を1回にまとめたほうが、手間や費用負担は軽減されます。しかし、この間の混乱はどうなってしまうのか。状況を読み解くキーワードは、やはりキャッシュレス化の進展でしょう。

まとめ

パーク24が同社グループの時間貸駐車場、カーシェア、レンタカーなどのサービスを利用した顧客に対して実施したアンケート調査(※3)では、交通機関利用時に現金で決済する割合は、電車(在来線)20%、路線バス13%。とても低率です。

 

また、新500円玉の最初(2021年度)の製造枚数1億7000万枚程度に対して、旧500円玉(ニッケル黄銅貨幣)は23年間で累計73億枚以上も製造されています(※4)。新500円玉が市中にたくさん出回るまで、かなり時間がかかると推測されます。

 

コロナ禍のさ中に、ひっそり登場したようなイメージのある新500円玉。券売機や自販機で使えるか使えないかの対応状況などを見ていると、硬貨を窓口やATMで入金しようとする際に銀行が対応を厳しくしている流れにも重なるような気がいたします。

 

「手間とコストをかけるヒマや余裕は、ないのだ」。キャッシュレス社会がどんどん進む中で、“キャッシュいじめ”とはいい過ぎかもしれませんが、現金払いを選別して長い目では外していく流れを感じずにはいられません。