「ガチャポン」「ガチャガチャ」などと呼ばれる自動販売機で購入する「カプセル玩具」の人気が高まっている。昨年、東京都の池袋に登場した専門店は3000台を超える自販機数でギネス世界記録に認定された。売り上げが増えた会社もあり、カプセルの中身や出店場所も多様化している。
カプセル玩具は1960年代に日本に登場。半世紀を超える歴史があるが、近年は専門店の出店も目立つ。
昨年2月にオープンした専門店「ガシャポンのデパート池袋総本店」(東京都豊島区)は、売り場面積が1256平方メートルに及び、3000台を超える自販機には、アニメキャラクターのフィギュアや缶バッジなど多彩な玩具が詰まっている。同年3月には、「単一会場におけるカプセルトイ機の設置数」でギネス世界記録に認定され、運営する「バンダイナムコアミューズメント」(東京都港区)の担当者は「専門店で商品の知名度を上げ、身近なエンターテインメントとしての地位を確立したい」と意気込む。
玩具卸のハピネット(東京都台東区)では昨年9月までの半年間のカプセル玩具の売上高が、前年同期比で1・6倍の81億円に。同社は「大人の需要の高さがその一因」としている。
カプセルの中身も様々だ。家具メーカー「カリモク家具」(愛知県)では、自社製品がモデルのカプセル玩具を販売。精巧さがSNSなどで話題となり、2019年の販売開始以降、累計約90万個を突破した。
出店場所にも変化がみられる。通勤客をターゲットに「エキナカ」に店を構えるのは、商品開発も手がける「ケンエレファント」(東京都千代田区)。20年12月にJR上野駅改札内でオープンした「上野ランド エキュート上野店」には深い緑色の自販機約200台が並び、仕事帰りにスーツ姿で立ち寄った東京都杉並区の会社員男性(42)は「大人びた外観で、気兼ねなく入店できた。たくさん商品があって浪費してしまいそう」と笑顔を見せた。同社ではJR新橋駅やJR新小岩駅にも出店しているという。