お賽銭が消える ゆうちょ銀行「有料化ショック」。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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金融機関で多数の硬貨を預ける際にかかる手数料について、1月からゆうちょ銀行が導入に踏み切った。大手銀行などが手数料を導入していく中で、手数料がかからないゆうちょ銀は「最後の砦(とりで)」のような存在だっただけに、硬貨を扱う機会が多い店舗や団体からは困惑の声が広がる。神様への供物である賽銭(さいせん)を管理する神社もその一つ。大量の硬貨を取り扱う神社からは存続を危ぶむ声があがっている。

手数料、回収に数十年…

「手数料なんて微々たるものと思われるかもしれないが神社の維持に大きな負担がかかってしまう」。空海が創建したとされる平岡八幡宮(京都市右京区)の佐々木俊輔宮司(66)は肩を落とす。

硬貨の預け入れ手数料が無料なことから約20年前にゆうちょ銀に乗り換えたが、再び窮地に立たされた。この神社の賽銭金額は年間で数十万円。拝観料の支払いに対する釣り銭として百円と五百円の硬貨は入金せずに手元に残すことから、一、五、十、五十円硬貨のみを入金してきた。

 

これまでの1回当たりの入金枚数は数千枚。ゆうちょ銀の新制度では、硬貨の枚数に応じて手数料が発生することから、賽銭の数%が手数料へと消えてしまう。ゆうちょ銀の普通預金金利は0・001%で、手数料に消えた金額を回収するには数十年が必要になる計算だ。

 

同神社では賽銭は主に水道代や光熱費に使われる貴重な収入源の一つだが、新型コロナウイルスの影響で参拝者が激減したことから例年の1割程度にとどまっている。佐々木宮司は「もともと神社の経営は火の車。そこに今回の追い打ちは大きな痛手」とこぼす。