大分市の菓子店「お菓子のありの子」が、住宅用火災警報器を模したケーキを作っている。防火の願いを込めた「ジューケーキ(住警器)」だ。
きっかけは地元放送局のラジオ番組。火災予防などを啓発する平日午後の5分ほどの「こちら119番」というコーナーで、市消防局員が寸劇や替え歌を交えて、防火を呼びかけた。
「桃太郎」の替え歌では「♪維持管理、維持管理、おうちにつけた住警器、年に一度は維持管理」と歌い、住警器の点検・管理の大切さを訴えた。
このラジオ番組を聴いていたのが、「お菓子のありの子」の川辺誠シェフ(46)だ。
「突然寸劇を始めたり替え歌を歌ったりする番組なんて珍しくて、放送事故じゃないか?と思って最初は笑って聴いていました」。だが、毎日聴いているうちに、「彼らが火災予防を真剣に訴えているのが伝わってきて、すっかり心を打たれました」。
そのラジオで消防局員が「クリスマスにはジューケーキ(住警器)が食べたい」と冗談で話すのを聴き、川辺シェフのハートに火がついた。消防局から住警器を借り、本物そっくりのジューケーキを作った。
外側はホワイトチョコで固め、中には水をイメージした水色のミント味のムースが入っている。予約制で注文を受け付けているが、「今はクリスマスの仕込みで尻に火がついてます」。
注文は26日以降に。(中沢絢乃)