「空飛ぶクルマ」万博での実用化目指す ドローンで実証実験。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

● DIY 【 だめでも いいから やってみる 】 ● 大阪DE農業

 

 「空飛ぶクルマ」を開発するスタートアップ企業SkyDrive(東京都新宿区)は10月22日、2025年大阪・関西万博でのエアタクシーサービスの実現と、30年の本格事業化を目指し、大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、東京海上日動火災保険と共同で、「空飛ぶクルマによるエアタクシー事業性調査」を実施した。

 

 大阪港で実施した実験では、「カーゴドローン」を使って海上飛行を実演。使用されたドローンはSkyDriveが開発し、物流ドローンとしてすでに販売されている「SkyLift」で、 全長1.2メートル、全幅1.8メートル、全高1.0メートル.機体重量35キロ、輸送される荷物の可搬量は最大で30キロ。

 

 なぜ、ドローンで実験をしているのか。ドローンと空飛ぶクルマは、共にモーターと8枚のプロペラを回転させて飛行するため、原理は同じである。そこで、今回の実験を通して海上での風や潮の影響、バッテリー消費、充電頻度などのデータを収集・分析し、空飛ぶクルマの開発に生かすとしている。

 

 公開された実験では、ドローンは自動操縦で高度20メートルまで上昇し、海上方向へ50メートルほどの距離を約3分かけて往復。ドローンは安定した飛行性能を見せた。 

 

 また同日、地域住民を集めて、飛行実験の見学、空飛ぶクルマ「SD-03展示機」の機体展示を開催した。安全面の取り組みの紹介や説明、アンケートを実施し、空飛ぶクルマの理解促進につなげる狙いだ。

 

 「SD-03」は、8枚のプロペラを前後左右の4カ所にとどめることで、世界最小クラスの機体サイズを実現。かつ、十分な揚力を得ることを目指して開発が進められている。

 

 空飛ぶクルマは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL:electric vertical takeoff and landing)」といい、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。

 

 世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでいて、日本でも18年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている。日本では、23年ごろの事業開始、30年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。

 

 20年8月に空飛ぶクルマの有人飛行実験に成功した同社は、大阪府市と連携協定を結んでいて、25年の大阪・関西万博では、輸送手段としての活用が期待されている。同社の福澤知浩CEOは「25年の万博、30年の本格事業化に向けて、今後も実証実験を続けていきたい」とコメントした。

 

 実用化に向けて、ルール作りや機体の安全性などクリアしなければならない課題は残るが、空飛ぶクルマが新たな移動手段となることを期待したい。