2021年秋、とあるテレビ番組で「親ガチャ」という言葉が取り上げられたのをきっかけに、不快感を示す人・理解できるという人、マスコミやSNSなどで賛否両論さまざまな意見が交わされています。今回はその「親ガチャ」について、意味や使われ方、人々の反応などを紹介します。
自分はわが子にとって「あたり」なのか「はずれ」なのか…考えさせられてしまいますね。
「親ガチャ」とは?意味と語源
「ガチャ」とは、いわゆる「ガチャガチャ」の略語です。
コインを入れて回すと、キャラクターグッズやおもちゃが入ったカプセルが出てくる「ガチャガチャ」は、ショッピングセンターなどでお子さんに「やりたい」とせがまれるママ・パパも多いのではないでしょうか。
最近はスマホやパソコンで遊ぶソーシャルゲームの中でも、ゲームの進行に役立つアイテムがランダムに手に入る仕組みを「ガチャ」と呼んでいます。
いずれも、カプセルを開けるまで中身は分からず、大当たりもあれば「ハズレ」もあります。
めったに当たらない良いアイテムが出てきたときには「SSR(スーパースペシャルレア)」などと呼ぶことも。
その様子を人生に例えて、事前に自分で選べない事柄を「○○ガチャ」と名付けたネットスラング(SNSなどで使われる俗語)をここ数年よく見かけるようになりました。
職場での「上司(部下)ガチャ」、学校では「担任ガチャ」など。
そして「親ガチャ」は、家庭の裕福さや容姿の遺伝など、子供自身にはどうにもできない要素によって、人生が有利に進みやすいのかハードモードなのかが決まってしまうことをいいます。
街で10~20代の若者にインタビューしたWEB記事を読んでみると、皆がみんな「親ガチャ」という言葉を使っているわけではなさそうですが、かなり浸透はしていることが分かります。
とくに親の収入によって子供の最終学歴が変わってくることははっきりとデータで示されており、その背景には、日本での教育費用の高さや、子供の教育を家庭の「自己責任」としてしまう社会構造などがあると考えられます。