東京五輪の開会式で話題となった絵文字「ピクトグラム」が描かれた啓発ステッカーで盗撮への注意喚起や被害防止を呼び掛ける取り組みを、京都府警と京都女子大の学生らが始めた。8月には京都市内で被害の多い地下鉄「北大路駅」(北区)のエスカレーターに掲示され、今後、他の駅にも対象を広げる予定だ。
啓発ピクトグラムは、京都女子大生がデザインした2種類。階段でスカート内を盗撮されそうな様子とともに、「後ろに注意!」「盗撮に注意!」の文字がそれぞれ記されている。
府警によると、北大路駅は高校生や大学生の利用も多く、盗撮被害の相談が今年は5件(6月末現在)と、市内ではJR京都駅とJR山科駅に次ぎ3番目。特に地上に出る駅構内の上りエスカレーターは長く壁に挟まれた構造のため、周囲に気付かれにくく、犯行現場になりやすいという。
北大路駅構内や近くの商業施設のエスカレーターへのステッカー掲示には、警察官や防犯ボランティアら約25人が参加。盗撮への注意を呼び掛けるピクトグラムの四コマ漫画が描かれた啓発チラシも配った。
デザインを担当した学生の1人で、京都女子大4年の藤沢真由さん(22)は「女性が大きくリアクションする様子を描くことで、一目見ただけで『気を付けよう』と思ってもらえるデザインを意識した」と説明。「私も盗撮被害に遭って怖い経験をしたので、被害防止に貢献できればうれしい」と話した。
条例改正で対象拡大 摘発ペース昨年上回る
京都府内における盗撮事件の摘発件数(府迷惑行為等防止条例違反容疑の逮捕件数)は7月末時点で87件に上り、昨年1年間の件数に並んでいる。背景には、規制場所や盗撮行為の対象範囲を拡大した改正条例が昨年1月に施行されたことがあり、府警は「摘発実績が犯罪抑止や防犯意識の向上にもつながれば」と期待を込める。
府警人身安全対策課によると、直近5年の盗撮事件の摘発件数は微減傾向にある。一方、スマートフォンの普及や撮影機器の小型化に伴う手口の巧妙化や公共の場所以外での盗撮被害も目立つようになり、府は取り締まりに限界があった従来の条例を改正。規制場所を住居や宿泊施設の更衣室などのプライベートな空間に拡充したほか、撮影機器を向けたり設置したりする準備行為も取り締まりの対象となった。
改正条例が施行された昨年は、新型コロナウイルス禍による外出自粛などが影響して摘発件数は87件にとどまったが、今年は人流の活発化に伴って摘発件数も増加。捜査関係者は「改正内容での摘発が大半を占める」と手応えを感じる。
ただ、依然として盗撮被害の半数近くが階段やエスカレーターで発生しているとした上で、「軽装する時期が続くので、特にそういう場所では警戒してほしい」と注意を呼び掛けている。(桑村大)
○ワタシ想います。
日本発の「ピクトグラム」、いろいろ使えると・・・。
発想の感性がいい。