アサヒビールは21日、ビール「スーパードライ 生ジョッキ缶」について、売り上げが想定を上回ったため、販売を一時休止すると発表した。飲食店のような泡たっぷりの生ビールを楽しめる商品で、20日に全国展開していた。
生ジョッキ缶は、ふたを全開すると泡が自然にわいて出る。特殊な塗装で缶の内側に凹凸を施し、泡が出やすいようにした。今月6日に全国のコンビニエンスストアで先行販売した直後も品薄となり、出荷を一時停止した。生産体制を整えて20日からスーパーなどでも販売を始めたが、特殊な缶の製造が追いつかないという。
新型コロナウイルスの感染拡大により自宅で酒類を飲む機会が増え、ビール各社の缶ビールの販売は好調だ。サントリービールが13日に発売した糖質ゼロの「パーフェクトサントリービール」は、発売5日間の販売数量が、当初計画を3割程度上回った。消費者の健康ニーズに対応した。
キリンビールは、主に飲食店で展開してきたクラフトビール「スプリングバレー豊潤496」の缶ビールを3月下旬に発売した。香りや苦みをつける原料のホップを4種類使い、個性的な味わいに仕上げた。家飲み需要の高まりに合わせ、多様な味を楽しめるようにする狙いだ。