マータイさん訪問から15年
環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞した元ケニア副環境相、ワンガリ・マータイさん(故人)が福島市を訪れて今月で15年になるのを機に、ゆかりのある市立飯坂小、月輪小がマータイさんが来県した2月14日を「もったいないの日」と定め、児童主導でそれぞれ環境保護活動に取り組むことになった。」「大人にはない子どもならではの発想」(山岸裕司・飯坂小校長)で、もったいない精神の定着を目指す。
マータイさんは2005年の初来日時に「もったいない」という日本語を知って感銘を受け、資源を有効活用する「MOTTAINAI運動」を展開した。06年2月14日に福島市を訪問し、シンポジウムで講演したり、飯坂小の児童と一緒にドングリの種まきをしたりした。この時にまいた種から育った苗木は09年、飯坂小と月輪小の児童の手で市内の史跡公園「じょーもぴあ宮畑」に植樹された。
今月が15周年となることから、両校は改めてマータイさんの考え方に光を当てようと「もったいないの日」を制定することにし、児童会の環境委員会で活動内容を検討した。
飯坂小は、15~19日を「もったいない週間」とし、ポスターや校内放送でPRするとともに、全校児童を対象に「日々の生活でもったいないと思うもの」のアンケートを実施し、ランキングを作成する。また、全クラスにごみ袋を配布し、この週に出たごみの少なさを競う「もったいない選手権」も開催する。
環境委員長の渡辺由香さん(12)は「もったいないという言葉をあまり聞かなくなった。この言葉を覚え、この週に限らず意識してほしい」と、全校児童を巻き込んだ活動を展開する理由を説明する。副委員長の須藤和(のどか)さん(12)は「家の人にも、もったいないという言葉を伝えてほしい」と呼びかける。
一方、月輪小は2月を「環境にやさしい水の使い方」を実践する月間とした。同小では1月の冬休み明け、寒波で水道管が凍結して水道が2日間使えず、教職員が防火用の水をバケツでくんで運び、しのいだ。環境委員長の菱沼珠依(すい)さん(12)は「トイレもバケツの水で流すなど、とても苦労した。水の大切さに気づき、もったいない活動で取り組もうと思った」と話す。
勢いよく水を出すと約5秒で1リットルが流れることを環境委員会の児童らが実験で確かめ、せっけんで手をこする際に水をいったん止めておけば約6リットルの水が節約できると、給食時の校内放送やポスターで訴える。蓬田孝夫校長は「子どもたちは身をもって水の大切さを実感した。誰かに言われてやるのではなく、経験を元に自ら取り組むことに大きな意味がある」と期待している。【西川拓】
○ワタシ想います。
「大人にはない子どもならではの発想」には、
自分たちで実験し、裏付けを得た自身に裏打ちされている。経験を元に自ら取り組むことに大きな意味があると、思います。