今年はうるう年で、今日が二百十日に当たる。台風は朝鮮半島付近にあり、日本海は荒れ模様だろう。二百十日や二百二十日はその日限りのことではなく、そのころの台風に用心を怠るなという戒めだ。
八十八夜や二百十日を雑節として採用したのは、初めて国産歴をつくった江戸時代の天文学者・渋川春海だった。1684年の「貞享改歴」である。それまで日本は平安時代から800年以上、中国の歴に頼っていたが、天体の動きとのずれが生じてきた。春海は天体観測を行い、中国歴を日本向けに修正した。
エピソードがある。魚釣りの好きな春海が船を出すように頼んだところ、船頭は「今日は二百十日、海はしける」と断った。間もなく快晴だった空が暗くなって大荒れになったという。
農家や漁師はこの時期の暴風雨襲来を経験していて、すでに地方歴には二百十日の歴注があったという。春海はこれら立春を起点とした伝承や季節の感じ方を全国統一の歴に組み入れたのである。
雑節は、中国歴の二十四節気では季節に合わないものがあり、補完として設けた日本独自のもの。入梅、半夏生、土用、社日など農耕から生まれたものが多い。地球温暖化や農業の近代化によって季節との違いも出たきたが、雑節の心は受け継がれている。
農業新聞 「四季」 2012・8・31より。
○今、外は雨。しかも、先ほど大阪市に大雨警報が出た。雷も鳴っている。くわばらくわばら。
