とにかく几帳面で、料理をする時は料理本通りにカット――3センチ幅、1センチ角など――1ミリの誤差も許せない! そんな人にピッタリのまな板がイギリスで発売された。
様々な切り方や目盛が細かくふられ、サンドイッチを45度ジャストで切れる斜めの線などもついた便利まな板。日本円にして約2700円のこの商品、何事も完璧でなければ気が済まないという強迫性障害(OCD=Obsessive Compulsive Disorder)から、『OCDシェフ』と名付けられた。
問題はこのネーミングだ。病名を商品に冠したことで、英国OCD救済基金から「深刻な病気をネタに金儲けをしようとしている」と、販売メーカーのセルフリッジ社に非難の声が上がっている。
同団体理事長で自らもOCD患者のフルウッド氏は、「軽々しく商品名にすることでOCDの深刻さが社会に認知される妨げになりかねない。これがHIVやガンだったら大論争が起きているだろう。販売メーカーはOCDがどれほど患者を苦しめているか理解していない」と不快感をあらわにしている。
強迫性障害には様々な分類があり、物事が定められた秩序通りにならないと不安を感じる「不完全強迫」がそのひとつ。うまくいくまで何度もやり直すなど、日常生活の様々な場面で時間がかかりストレスを生む。
セルフリッジ社は、「近年複数の有名人がOCDを告白したことで世間の関心も高く、最近ヒットした肉・魚・野菜専用まな板と同様、市場のニーズから生まれた商品です。OCDに悩む人々の日常生活のお役に立てると確信しています」とコメントしている。
外食産業の不況に伴い、イギリスでは昨年デパートのキッチン用品売上高が前年の3割増となったそうだ。ネーミングの是非はともかく、便利なツールとして普及する日が来るかも知れない。
参照元:DailyMail (英文)
◎確かに几帳面な性格の人にはいいかも。
