2011年8月30日に文科省が発表した『土壌濃度マップ』。それは、福島原子力発電所の放射能漏れ事故により飛散した放射性物質セシウム137とセシウム134が、どれだけ土壌に蓄積しているのかを調査してマップ化したもので、この事故がどれだけ甚大な被害なのかを物語っている。
この『土壌濃度マップ』はマスコミ各社も報じているが、風評被害を防ぐためなのか、あまり詳しく報じていない。しかし、この『土壌濃度マップ』から知ることができる情報は多い。福島原子力発電所付近の周囲よりも、遠く離れた地域のほうがセシウムの土壌濃度が高いところがあるのである。
たとえば、福島原子力発電所に近い南相馬市の一部よりも、遠く離れた那須郡那須町や郡山市の一部のほうがセシウムの土壌濃度が高い(あくまで一部だが)。政府は「ただちに影響はない」というが、その後に影響はないのか? そんな声が出ているのも事実だ。ちなみに、今回の土壌濃度調査は日本分析センターが8月13~14日に行ったという。
自然あふれる日本の大地が、どれだけ放射性物質によって汚されているのかがわかる『土壌濃度マップ』。福島原子力発電所による放射能漏れ事故は、地球だけでなく、そこで命を育む動物や植物、そして人間の生活を窮地に陥れ、多くの不幸を招いているのは間違いない。その呪縛が、未来の子孫を苦しめることにならなければいいが……。
参照元: 文科省 土壌濃度マップ
