オフィスワークをされているみなさん。突然ですが、あなたの職場はみんなで空間を共有するオープンタイプですか? それとも壁で仕切られてある程度個人のスペースが確保されたプライベートタイプですか?
最新の研究では、オフィスの構造が、スタッフの仕事や健康などに大きな影響を与えているということが明らかなったそうです。つまり、オープンタイプかプライベートタイプかによって、あなたの仕事の出来具合や体調が良くも悪くもなり得るということなのです。
そもそもオープンタイプのオフィスは、働く人が互いにコミュニケーションをとりやすいことや、動き回りやすいことなどを理由に多くの会社で採用されてきました。意見交換や問題解決などがよりスムーズに行われ、仕事の効率が上がるだろうと考えられたからです。
しかし、神経科学の専門家ジャック・ルイス氏が行った実験で、人の集中力は開かれた空間では下がってしまうことが明らかになったそうです。多くの人が忙しく働くオフィスの中で被験者の脳波を調べたところ、脳が集中しようとする力は周囲の音によって妨害を受けていたのです。
「こういった場合、必ずしも本人が集中力の欠如に気付いているとは限りません。しかし、少なくとも脳は注意散漫になっている状況に反応しているのです」とルイス氏は説明しています。
また、エクセター大学の心理学者クレイグ・ナイト教授は、プライベートタイプには心理的利点があると説いています。教授が行った実験では、オフィスのプライベートな空間を写真や植物などで自分なりに装飾することにより、仕事の生産性は15パーセント、満足度は32パーセント上がることがわかったそうです。
ナイト教授によると、「好きなものを飾って自分なりの空間を作ることで、人はより精神的に落ち着くことができ、結果的に集中力もアップするのです」とのこと。
この他にも、オーストラリアのクイーンズランド工科大学の研究チームが、「騒々しい職場で働き続けている人は、極度のストレスや疲労、高血圧、インフルエンザなどの問題を抱えやすく、オープンタイプのオフィスはそうでないものと比べると健康的に良くない」と発表しています。
これら専門家の指摘をまとめると、「仕事の生産性」、「満足度」、「健康面」など多くの点でオフィスはプライベートタイプのほうが良いということのようです。「全然仕事がはかどらないし、常に疲れている気がする」という方、あなたのオフィスはオープンタイプなのではありませんか?
参照元:Mail Online
(英文)
photo:flickr k gibbons
