天文物理学者の最新の発表で、2020年ごろから最大10年間、太陽の活動が停滞期に入ることが明らかにされた。 専門家は、これにより地球に「ミニ氷河期」が到来すると予測している。
さらに地球を脅かす温暖化現象にも歯止めがかかる可能性が指摘されており、それらの説を立証する機会を前に多くの科学者や天文学者が胸を高鳴らせているようだ。
今回発表を行ったのは、アメリカ国立太陽観測所の研究チーム。彼らは、現時点で観測されいる太陽の3つの変化が、近い将来の活動の停滞を示唆していると主張。ちなみに以下がその3つの変化である。
・太陽黒点の減少
・太陽コロナと呼ばれる太陽周辺の散乱光の減少
・太陽表面のジェット気流の消失
いずれも11年ごとに変動する太陽の活動サイクルによって増減する現象であるが、今回予測される活動低下のレベルは1645~1715年の「マウンダー極小期」以来。因果関係は立証されていないものの、当時地球は著しい寒冷期を記録しており、今回のサイクルにおいても、ミニ氷河期が訪れる可能性はかなり高くなっているようだ。
なお、前サイクルで活動がピークだった2001年時は、太陽フレア爆発や太陽嵐も頻繁で、活発な活動を促す太陽黒点も毎日のように観測されていた。これらにより、衛星電波や通信ネットワークにもたびたび障害が起きていたそうだ。
太陽フレアは今月初めにも観測 されたものの、2008年に新しいサイクルに入ってから太陽の活動はとてもスローだ。太陽黒点を発生させるはずの磁場も極めて弱く、このまま行けば、2020年に始まる次のサイクルのピークが遅れるか、もしくは活動の規模がとても小さいものになるという見方が強まっている。
科学者の中には、地球の温暖化現象は、化石燃料の使用などによる人間の活動に起因するものではなく、太陽の活動によるものだと主張する少数意見もあり、場合によっては地球温暖化に歯止めがかかる可能性もささやかれている。
仮に温暖化の進行が滞れば、ほっとできる反面、極寒の日々が続けばまた新たな問題が発生することだろう。いずれにせよ、宇宙の営みにはさからえないのだが、太陽が平穏になるに伴って地球にも穏やかな未来が訪れることを願いたい。
参照元:Daily Mail (英文)
