国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者が1日、
米軍特殊部隊の急襲作戦により、殺害された。この事実は、世界中
で報じられ、衝撃を与えている。この急襲作戦は「ジャックポット」と
呼ばれており、オバマ大統領指令の下、秘密裏に進められていた。
作戦はいかにして計画され実行に移されたのか、順を追って
お伝えしよう。
作戦の全貌について、イギリスのニュース紙「MailOnline」がわかり
やすく解説している。その内容は次の通りだ。
【ビンラディン急襲作戦】 (作戦名:ジャックポット)
1.3月14日、オバマ大統領はホワイトハウスの危機管理室で、
トップシークレットとされるミーティングを開いた。作戦当日の様子は、
作戦を決行する特殊部隊のヘルメットに搭載されたカメラで、
大統領とCIA幹部によって確認されていた。
2.現地時間5月2日午前1時15分、米海軍特殊部隊「シールズ」は、
アフガニスタンのバグラムからパキスタン北部のタルベーラ・ガジの
基地へ移動。ビンラディン容疑者潜伏先とされるアボッダバードを
目指す。
3.4機のヘリコプターで、アボッダバードの隠れ家を急襲。
4.隠れ家の護衛兵が、屋根からヘリに向けて銃撃。激しい砲火を
受けて、米軍ヘリ「ブラック・ホーク」が不時着。
5.米軍ヘリ「チヌーク」から24人の特殊部隊が、暗視スコープと
M4ライフルを携え、ザイルを伝って着地。ビンラディン容疑者は、
寝室からAK47で応戦。
6.シールズが建物に侵入。2人の補佐官を銃殺。
7.寝室にいた容疑者は、降伏を拒み、女性を盾に。しかし女性は、
彼の前で射殺される。
8.作戦開始から40分、ビンラディン容疑者の遺体を回収。
ヘリコプターから海に投下。特殊部隊メンバーは全員無傷だった。
隠れ家の周囲は3メートル50センチの壁に囲まれ、正面側は
5メートル50センチの防護壁が設けられていた。また、3機の衛星
アンテナで外部の情報を得ていたものと思われる。このほか、
図解には攻撃を受けたブラックホークや、血に染まった寝室の
様子も掲載されている。以上の内容をMailOnlineは報じているのだ。
ちなみに米カーニー大統領報道官は、容疑者は武器を持っていな
かったことを明らかにしている。また、盾になって死亡されたと
される女性(ビンラディン容疑者の妻)は、足に銃撃を受けたものの、
生存していたと訂正。さらにこの女性について、盾にされたという
見解を否定しているという。
いずれにしても今回の作戦が、今後世界に与える影響は計り知れ
ないだろう。
参照元:MailOnline (英文)
▼ ホワイトハウスで作戦の動向を見守るオバマ大統領、
クリントン国務長官ら。
