東北と関東で余震が続く中、「福島原発と同じくらい危ない」と
みられているのが、茨城県の東海村だ。誰もが知っている日本の
原子力発電発祥の地。東海発電所は98年に営業運転を停止したが、
隣接する東海第2発電所は110万キロワットの沸騰水型軽水炉
として稼働してきた。
ところが3月11日の震災で、第2発電所を津波が襲い、非常用
発電機の冷却用ポンプが浸水した。そのためポンプ3台のうちの
1台が停止。現在、外部電源が回復し、原子炉は冷温停止状態に
落ち着いているが、甘く見てはいけない。
マスコミが福島原発の放射能漏れに集中しているため、あまり
知られていないが、3月11日夜に排水口から水が漏れていたことが
判明。トリチウム、コバルト60といった放射性物質が検出されたのだ。
両物質とも国の基準値の4000分の1と濃度は低く、経産省の
原子力安全・保安院は環境への影響はないというが、茨城県沖・
南部・北部だけで175回もの余震が起きているのだ。
琉球大名誉教授の木村政昭氏(地震学)が言う。
「これだけ余震が集中していると、第2発電所の施設はかなりの
ダメージを受けていると考えられます。ただでさえ放射性物質が
漏れ出す危険性が高いうえに、いま心配されているのが茨城南部と
千葉北東部の地震。内陸地震で、もし起きればM6.5以上の
エネルギーになりそうです。地震でもろくなった建物がさらにダメージ
を受けたら、福島原発のように、危険な放射性物質が漏れ出すかも
しれません」
東海村も危ない……。
(日刊ゲンダイ2011年4月15日掲載)
