2011年4月11日(月)11時0分配信 R25
震災の影響で延期される地方選も続出するなか、東京都知事選が
4月10日に投開票を迎える。毎度のことながら、今回の都知事選も
いろんな顔ぶれが立候補しているが、都知事とはどういう権限を
持つのか。その権力は「米大統領や日本の首相より上」ともいわれ
ているが、実際はどうなのか。
中央大学経済学部・佐々木信夫教授の『都知事』(中公新書)に
よれば、12兆円の財政規模を持ち、全有権者の1割から直接
選ばれる都知事は、その権限や政治的影響力という意味でも、
ひとつの国のリーダーに匹敵するのだという。たしかに、予算総額
12兆円といえばノルウェーの年間国家予算とほとんど同じで、
ほかの県の10倍の規模。また米大統領と同じように有権者から
直接選挙で選ばれ、その地位も4年間は安泰。毎年のように交代
しているどこかの国の首相と違い、長期的に政策を考え、
実行することもできるというわけだ。
しかも、都知事はいろんな面で裁量権が大きく、強いリーダーシップ
を発揮しやすい。たとえば、米大統領には予算や法案の提出権は
なく、議会の解散権もないが、都知事はこれを全部持っていて、
議会より優位な立場にある。また、日本の内閣は大臣の全員一致で
政策を決めることになっているが、都知事はひとりで決めることが
できる。これも首相や大統領より上といわれるゆえんだ。そのうえ、
都職員は警察官や教員を含めて約16万人。行政組織としては
自衛隊を持つ防衛省に次ぐ大きさなのだ。
もっとも、実際には都議会の同意が必要な事案も少なくなく、その
権限の行使にはいろいろ制約があるのも事実。過去には都知事の
副知事人事案が議会で否決されたこともある、とはいえ、都知事は
東京という巨大都市のリーダーとして、外交官の役割も求められ、
その発言はつねにメディアから注目される。政治家やそれを目指す
者にとって、そのへんが魅力的だったりするのかもしれない。
(押尾銅山) R25編集部
◎見識あるリーダーに期待したいと思います。
日本を任せるのだから。
大阪も追随してほしいものです。
