2011年3月29日
一般的には、10代や20代の若さあふれる頃が人生でいちばん
楽しい時期だとされがちだが、ある研究者の調査によると、人は
70代後半や80代のほうがより人生を楽しみ、幸福を感じる
ことができるという結果が出たそうだ。
調査によれば、年をとるほど心は満たされやすくなり、物事を
楽観的に捉えることができるようになるという。そしてこの傾向は、
80代でピークに達するとのこと。
米国科学アカデミーが、34万1000人を対象に調査したところ、
人生における楽しみや幸福感は成人して間もなく低下していくが、
40代後半から徐々に上向き傾向になり、85歳でピークをむかえる
まで増加し続けるという結果になった。
ロンドン大学のウォルパート名誉教授によると、「人は10代や20代
のときは平均的に幸せを感じるが、その後40代前半までは幸福感
が減り続ける。なぜならその間は、仕事や家族を養わなければ
ならないという現実に追われるからだ」とのこと。
また、同大学の心理学者であるステプトー教授は、「30年前と
比べると、現代の高齢者は健康的で、周囲の環境にも恵まれて
いる。『健康』、『安定した収入』、『家族や友人との人間関係』の
3つの事柄が、年をとると人生においてより重要になってくる」と
述べている。
その他にも、高齢者の方が幸せを感じられる要因として、時間の
使い方があげられている。人は年を重ねて脳が成熟するにつれ、
数学的な分野には弱くなるが、一方で言語や意思決定といった
能力には強くなるという。つまり、年をとることで、自分がより
幸せになれる過ごし方を選択する能力が増すため、人生を
無駄なく幸福に過ごすことができるのだそう。
今30代や40代ですでに十分幸せだという人には関係ない話かも
しれないが、そうでない人は、この先は徐々に幸せになっていくと
思えれば、少しは気が楽になるかもしれない。 ロケットニュース24
参照元:The Telegraph (英文)

