往復2代がかりの「渡り蝶」アサギマダラの不思議。
【秋になると南西方向に飛んで南西諸島や
台湾などに移動し、春にはその子孫が
北東に飛んで日本各地に現れることがわかってきた。
アサギマダラの移動は、
渡り鳥のように同じ個体が飛来し、帰って行くのではない。
飛来した成虫は産卵して死ぬ。
その子が卵から幼虫になり、蛹になり、
羽化して成虫になると、親と逆のルートをたどって帰って行く。
大旅行は毎年、子孫に受け継がれているのだ。
成虫の寿命は20~70日といわれる。
そのあいだに1,000kmを超す大旅行をするというから驚きだ。
アサギマダラがなおやかに飛ぶさまは優雅でさえある。
いったいどこにそんなパワーを秘めているのだろう?
学名はパランティカ・シータ(Parantica sita)。
ヒンドゥー教のビシュヌ神の貞節を守った
美しい妻の名前シータ(Sita)からとったといわれる。】
(矢山禎昭さんの記事を転写させていただきました。)
種の保存を、そのDNAに刻み込まれたものだとしたら、
この素晴らしさを、人間が壊してはいけないと想う。