おおつごもり。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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おおつもごり(十二支のいわれ)


 まえに、神様が、えと(十二支)を決められるときに、


国中の生きものに、布令を出された。


「何月の何日に港へ船の用意をしておくから、


先に着いたもんから乗り込めえ」と、言われたんですなあ。


 知らせを受けて、いろいろな動物がやって来て、


つぎつぎに船に乗り込んだ。


 先ず鼠がやって来て、チョロチョロと乗り込み、


次に牛がやって来て、ノソノソと乗り込こんだ。

それから、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪と

次々に乗り込こんで、船は一杯になった。

そこで神様は、「もう、これだげおりゃあええ。」と

船を出そうとせられた。


 ところがそこへ、鼬(いたち)が、息せき切って

駆け付けてきて、「是非、私も乗せて下さい。」と、

しきりに頼むんで、神様は、

「もう船は、満員になっておるんじゃが、

せっかくの頼みじゃから船の舳先(へさき)に

乗せちゃることにする。」と、言われた。


 せえから月の始めのことを、つ・い・た・ちと、

こう言う具合に言うようになったんじゃてえ。


 それじゃあ、これで全員揃うたから船を出そうと、

沖へ沖へ出よったら、

今度は羽の生えた横着者の蝙蝠(こうもり)が空からやって来て、

帆柱に止まって動こうとせん、神様は、

「おまえのような横着者は、陽のあたるところへ

出ることは許さん。早う帰れ!。」と、

大いに怒られた。それからというもの、

蝙蝠(こうもり)はいつも洞窟などの暗い所に

住むようになったんじゃ。

 蝙蝠は、しぶしぶ帰ろうとしたが、神様も、

「せっかくここまで来たんじゃ。年の暮れに置いちゃろう。」

と、言うことで、せえから年の暮れのことを、

おおつこうもり、おおつごうもりとなったんじゃ。


 また、猫は鼠に、日をだまされて、とうとう

間にあわなんだ。せえからというもの猫は

怒って、今だに鼠を追いかけるようになったと

言うことじゃてい。




チャンチャン!。