現実と幻覚の区別が付かなり、いつの間にか幻覚の方が現実感を持つようになってゆきました。

 

  明るく広い会社の事務所で仕事をしていても、狭くて薄暗い部屋に独りでポツンと居るような感覚に囚われるのです。目の前にも隣にも同僚は確かに居るのに、テレビの映像よりも「現実味が薄い」のです。最初は、その独りで居るような感覚が「非現実」である事をきちんと意識していましたが、日を追うに従い、見えている幻覚の方が「現実」で、自分は「非現実」であるような感覚が生じ始めました。

 少し前まであれほどリアリティーを持っていた「現実」はみるみる色褪せてゆき、「今までの事は全部、夢を見ていただけなのかも知れない」と思え、原因不明の悲しみに「包まれた」ような日々でした。

 

幻覚 (背景3) - オバケ草子より

 

 

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