大粟神社宮司です。

二月一日、二日の土日は、上一宮大粟神社の恒例祭祀である月次祭を執り行いました。

上一宮大粟神社では、毎月第一日曜日午前10時に月次祭を斎行することとしております。

宮司に就任する以前から月次祭は続きておりますので、二年になるかと思います。

宮司に就任してからは、全ての祭祀の責任を私が担うわけですから、毎回毎回祭式を研究し、少しずつより良く美しい祭を追究しております。


月次祭を始めた当初は、以前も書きましたが拝殿も荒れ、装束も父の狩衣、格衣、浄衣だけでした。

毎月月次祭を行っていても、地元の方も来ないと言う惨憺たる状況でした。

チラシをつくり、作務衣で神領を歩き回り、商店を訪ねて月次祭をお知らせもしました。

なかなか浸透はしませんが、
ありがたいことに、チラシを貼ってくださる氏子さんやお店の皆さんに広報をしていただけるようになりました。

また、全国から毎月お越し下さる方も確実に増えてまいりました。

このような信仰に励まされ、私も更に信仰を深め、宮司として困難に立ち向かう情熱が湧いてまいります。



宮司就任二年目は、
復興事業をさらに本格化させる決意があります。
泥にまみれる地道な取り組みはまだまだ必要です。しかし、一方でお祭りは徹底して美しく厳かで、感動を生む瞬間を追究する。
二年目の課題であり克服すべきものである、そう考え、祭祀学や有職故実の研究に力を入れております。



懸案であった祭祀での装束については、あらたに冬、夏ともに狩衣、袴、明衣などを購入いたしました。


二月月次祭からは、
大粟神社、阿閇宮、そして新たに再興した腰宮月えびすの三社の祭式で装束を変える試みを始めました。

美容の女神さまでもある大宜都比売大神さま。
女神さまへの祭にふさわしい姿、
お参りくださる皆さまへの真心、
これらを追究すれば、やはり自ずと美しい姿に行き着きます。

外見、すなわち装いの美意識は、内面の美にも通じていきます。


宮司は美学やデッサン、油絵も学んでいましたので、昔から装いについてこだわりがありました。

神社でのご奉仕でもようやく、装束を揃える段階に入りました。

大粟神社月次祭では、
狩衣ではなく、明衣を着けました。

規定では常装ではない装束ですが、
神事においては、ふさわしい装束にかえることができます。
大粟神社月次祭は大変重要な祭と私は認識していますので、
より威儀をただす意味で、中祭式にまとう斎服に准じる装束をまとうようにしました。
単独で明衣をまとうやりかたもあるのです。
小直衣という装束もあり、今後小直衣という選択も考えています。




腰宮では、水をイメージした狩衣を単を着けて纏いました。
腰宮は落水と言う古地名の場所に鎮座します。
腰宮とゆかりが深い、阿閇宮の神は浦島さまと伝わります。また腰宮はえびすさまであり、やはり水が関わりますので、青い狩衣が基本的な腰宮の装束と考えています。

腰宮から大粟神社へ戻り、正式参拝をご奉仕する際も、青い狩衣をまといました。


大粟神社では、各種祈祷では季節や、含意にあわせて纏う狩衣を今後変えていくつもりです。

正装や礼装は規定の色が決まっていますが、恒例祭祀での狩衣は豊かな色彩があります。

有職故実を学びながら様々な装束について調べている最中です。



今後ますます大粟神社は復興をすすめ、美しい祭を追究します。

御祈祷ももちろん受け付けております。

お気軽にお申し込みください。
大粟神社は様々な祈祷に対応しております。