官の闇・私の闇 ~ 【隠蔽】という魔物と、利権に巣食う暴力について | ・大津、出水、そして全国の子供たち、死んじゃいけない~ヘロの独り言

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・ 全国で子供たちが陰湿ないじめによって死に追い込まれている。
  命を奪うものは直接の加害者だけじゃない。見てみぬふり、時には言葉の暴力や直接の暴力で、子供たちを死に追いやる教師もいる。
  そんな狂った社会に向けて、老人は怒りをこめてつぶやきます。


うよく


山本議員に刃物入りの封書と殺害予告

すでに報道で御存知とは思いますが、陛下に直訴の手紙を手渡そうとした山本太郎議員にたいして、右翼団体総裁と称する人物から刃物入りの封書が送られたとのことです。
それにしても、悪質なイジメやいやがらせの手法として知られる『剃刀入り封書』とは、いつぞや藤枝さんと話したように、この国の『右翼』のあまりの劣化ぶりには驚きを禁じえません。

そもそも、反原発という山本氏の主張には賛同するものの、あまりにも稚拙なパフォーマンスには違和感を覚えていた矢先の出来事です。山本議員は日本国憲法をどう考えているのかという問題です。憲法で「政治関与」を禁じられている天皇陛下に直訴するという感覚は、まったく憲法をないがしろにするものとしか思えないからです。そのうえ、懲罰云々と大騒ぎしている議会の面々の動きも噴飯ものです。憲法を基軸において問題視するよりは、あたかも『不敬罪』を問題にしているかのような動き。ともに異常としか思えません。
そこにこの騒ぎです。たぶん便乗犯でしょう。愚劣すぎです。


原発がらみの この異様な動き

このブログの読者の皆さんには、気をつけて見てもらいたいことがあります。
たとえば、次男の窃盗事件を契機に燃えあがった『みのもんた・つるしあげ』事件のこと。
ヘロもこの方については良い印象をもっていません。でも、息子の事件を材料にして燃えあがった弾劾もどきには強い違和感を覚えています。まるで封建時代の【連座制】を思わせる異様な動きです。
で、ここにも重要な視点が提示されているのです。
部分的にマスメディアには露出したものの、なぜか完全に黙殺されてしまった見解。
みのがここまで叩かれるのは、彼が脱原発・反原発の急先鋒だったからだという見方です。
なぜか、この見解はいつの間にか消え去った、あるいは消され去った、です。
それを裏付ける意見として、彼を追及する急先鋒が、実質的には原発推進を企図する御用メディア=産経、文春、新潮ということ、これに一部の日和見メディアが追随しているという構図を見るべきだという意見があります。

こうした動きの背景には、数十兆円規模の利権をかかえる『原子力ムラ』があります。
この利権にむらがるブラックゾーンを破壊しないかぎり、たぶんこの国の未来は悲惨なものになるような気がします。
これも個人的には違和感を禁じえない方=小泉純一郎元総理の脱原発発言。
利権というしがらみから解き放たれたとき、人はいかに英雄的になれるものであるか。心から敬服しています。

さて、ひるがえって、冒頭の右翼。なんと下賎きわまりない売名の徒であることか。
ずいぶん前に書いた『山本宣治』暗殺犯(警察官)の言葉をおぼえておられるでしょうか。
殺害に成功したら、一生安楽な暮らしを保証してやると約束してくれたのに・・・
同房の受刑者にもらした有名な言葉を思い出してしまいます。
こうした人々の言動に共感している善男善女の皆さん、よく考えてみてほしい。
反韓、反中、反在日や、排外主義に踊らされるのはまだいい。
原発に反対することを標的にすること = それがなぜ『右翼』の正論になるのか。


利権と隠蔽はウラとオモテの関係

忘れてならないことは、東京電力=原子力ムラ、ではないということです。
東電はムラの一部であり、ムラ全体が危機に瀕すればいつでも切り捨てられるトカゲの尻尾にすぎないという点です。これを見誤れば、東電攻撃に視野が集中し、それがある程度達成されれば世論は沈黙してしまうということになります。
トカゲの尻尾にならないために、東電が一貫して演じ通してきた手法が【隠蔽】であることは、ここで説明するまでもないと思います。
あまりにも稚拙ですが、この国の役人と準役人にはそれしかないのです。
そして、その稚拙な手法=【隠蔽】を補完するシステムが【規律】というものです。
規則=規律だから言えません。それが、規則を守るために事実を曖昧にするに変質し、ついには規則を守るために誤魔化すという形に転落していく。

今朝の毎日『余録』はこう書いています。
▲役所の効率的な仕事に規律は欠かせないが、その手段としての規律がやがて役人にとって目的へと変わってしまう。そこに度し難い官僚主義が生まれる。この逆機能の一つに挙げられるのが役人の秘密主義である。
この毎日の主張は的を射ているように見えて、きわめて不十分だと思います。
そうした行動の動機の背景には、【保身】があり、さらのその保身の背景には【利権】があるということを、全く無視していると思うからです。
諸悪の根源は利権です。利権が保身を生み、保身が隠蔽を生むのです。


利権補完部隊の暴力を容認してはいけない

山本議員の軽挙、なんの成果にもつながらない妄動は、利権保護部隊の暴挙を招いてしまいました。かと言って、こうした暴挙は絶対に許してはなりません。
それが直接に利権集団の指示によるものか、あるいは、そうした集団に自らを売り込むための売名目的か、それは問いません。同じことです。これを許すことは、この国に再び山宣殺しのどす黒い潮流を復活させることにつながるからです。

毎日の朝刊に連載されている『硬骨のドンキホーテ』をお読みの方ならご存知のはずですが、いま故郷の山口で自給自足の暮らしを続けるカメラマン福島さん(92歳)は、かつて「自衛隊と兵器産業を告発する」という記事を書いたとき(1969年)、自衛隊広報課に呼び出されて罵倒され、記事差し止めを強要されたが拒否しました。
そして、原稿をもって歩いていた夜道で暴漢に襲われ、「そんなもんもちやがって」と斬りつけられて負傷。10針を縫う大怪我で一命はとりとめたものの、今度は自宅が不審火で炎上、高校生であった長女が間一髪で原稿とネガを持ち出して記事は無事に出せたと語っています。
これは何を意味しますか。
その頃と今、なにひとつ変わってはいないのです。

イジメと暴力もその文脈の中で考えてください

利権、保身、隠蔽、暴力。
これらを一つの文脈の中でとらえてみてください。
すべては、次世代をになう子供たちに、絶対に引き継いではならない事柄です。
しかもこれらは、密接に結びついている事柄です。
今現在の命を軽んじる者が、明日の、その先の、遠い未来の、子供たちの命を重んじるはずはありません。
後は野となれ山となれという輩に、子供たちの未来を託すわけにはいかない。
山本太郎氏個人については、それぞれに思うところはあると思います。
しかし、彼が当選した直後から【原子力ムラ】を震源地とする謀略は懸念されていました。ヘロもそういう危惧をお伝えしました。そういう文脈の中で、この事件を考えていただきたいと思います。

それにしても、軽率な・・・・・ まあ、言いますまい。