電子文芸同人誌【oase】(季刊誌)のブログ

電子文芸同人誌【oase】(季刊誌)のブログ

新しいことを始めるというのは、それはそれは大変なこと。
それでも、文学のために前に進む。
出版社は利益主義、ハウツー本とタレント本と趣味本を扱う。
同人誌は理想主義、文学を継承していく。
http://oaseebook.blog.fc2.com/

自分の心の中をはっきりと見極める為に、

無論、多少の生活体験が無ければ、

人が人生に於いて追求するものは、

時として自分の大切に思うものを犠牲にしなければ

それに到達することは望み得ないということを、

理解することが出来ない。

早春の甘い憂うつが他の人より強く私をとらえたまでのことだった。

それで私は、色々悲しい想像や、死の思いや、厭世的な観念に喜びを感じた。

ハイネ私は空虚な詩句の中に、溢れる心を注ぎ込み、

共に悩み、共に詩を作り、叙情的な熱中にはまり込んだ。

それはおそらく子豚がシャツを着たような格好だったろう。

レーナウ、シラーと続き、ゲーテ、シェークスピア、ときた。

文学という青ざめた幻影が、突然大きな神になったのである。

むしろ、暗い衝動で一杯で、

然るべき時が来れば、何か深い立派なものを作り出し、

思いのままにならぬ人生から

せめて一掴みの幸福を奪い取ることが出来るだろう、と思った。

 人は、教師や牧師や医者や職人や商人や郵便局員に成ることが出来た。

この世のあらゆる職業には道が通じており、

前提が有り、学校が有り、初心者の為の教授が在った。

ただ詩人にだけは、それが存在しなかった。

「詩人であること」、つまり詩人として成功し有名であることは許されており、

名誉とされていた。

ところが、「詩人に成ること」、それは不可能で有った。

詩人に成ろうと欲することは、もの笑いであり、恥じであった。

えてして人間というものは、

皆がそれぞれの食欲や好みから、

ご馳走をてんでに食い散らした残り物でしかない

憧れるべきは君自身の完成ということだ。

神は君の中に在るのであって、

概念や書物の中に在るのではないよ。

心理は生きられるものであって、

教えられるものではない。

戦いに備え賜え

「病人は在るが、病気は存在しない」

病気というものは人間を離れて抽象的には存在しないということ、

数学や幾何学の図形の世界は、

それを創り出す人間の頭脳を離れて存在しないことは事実であるが、

しかし、一度学者によって創造されると、

学者の手を離れ、

学者の力では如何ともすることの出来ぬ法則に従う様になる。

確かに憂愁という言葉は、

常に僕を支配していたあの堪え難い悩みを表現するのには不十分だ。

この悩みは突如として我々をとらえる。

これは時が持っている特性によってはっきりさせられる。

つまり我々は認識はするが、もはや感動はさせられないのだ。

 むしろ、暗い衝動で一杯で、

然るべき時が来れば、何か深い立派なものを作り出し、

思いのままにならぬ人生から

せめて一掴みの幸福を奪い取ることが出来るだろう、

と思った。