電子文芸同人誌【oase】(季刊誌)のブログ

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新しいことを始めるというのは、それはそれは大変なこと。
それでも、文学のために前に進む。
出版社は利益主義、ハウツー本とタレント本と趣味本を扱う。
同人誌は理想主義、文学を継承していく。
http://oaseebook.blog.fc2.com/

悲しみと不安をつのらせながら、

自分の過去の生活が、溶けて流れて空虚になっているのを、

もはや自分のものでなくなっているのを、

知って苦痛に満たされた。

これが人生だったのか。

これがすべてだったのか

 結果はゼロだった。

だが僕の性格は変わっているので、

この失敗が反って快かった。

あらゆる悔恨の奥には、

耳の有る者の為には「これも経験さ」という言葉が潜んでいる。

僕はその言葉に耳を傾けた。

僕は、自分を見捨てる成功なんか欲しいと思わなくなった、

少なくも、別種のものであれかしらと願う様に成り、

喝采の量より、質が大切だと信じるに至った

結果はゼロだった。

だが僕の性格は変わっているので、

この失敗が反って快かった。

あらゆる悔恨の奥には、

耳の有る者の為には「これも経験さ」という言葉が潜んでいる。

僕はその言葉に耳を傾けた。

僕は、自分を見捨てる成功なんか欲しいと思わなくなった、

少なくも、別種のものであれかしらと願う様に成り、

喝采の量より、質が大切だと信じるに至った

時として希な幸福の瞬間には、

非常に強いもの、名状し難い程美しいものを体験する。

瞬間の幸福の泡は時として苦悩の海を越えて、

高く、目が眩む程飛沫を上げるので、

この短い輝く幸福は光を放って、

他の人々をも動かし魅惑するのである

自分の心の中をはっきりと見極める為に、

無論、多少の生活体験が無ければ、

人が人生に於いて追求するものは、

時として自分の大切に思うものを犠牲にしなければ

それに到達することは望み得ないということを、

理解することが出来ない。

早春の甘い憂うつが他の人より強く私をとらえたまでのことだった。

それで私は、色々悲しい想像や、死の思いや、厭世的な観念に喜びを感じた。

ハイネ私は空虚な詩句の中に、溢れる心を注ぎ込み、

共に悩み、共に詩を作り、叙情的な熱中にはまり込んだ。

それはおそらく子豚がシャツを着たような格好だったろう。

レーナウ、シラーと続き、ゲーテ、シェークスピア、ときた。

文学という青ざめた幻影が、突然大きな神になったのである。

むしろ、暗い衝動で一杯で、

然るべき時が来れば、何か深い立派なものを作り出し、

思いのままにならぬ人生から

せめて一掴みの幸福を奪い取ることが出来るだろう、と思った。

 人は、教師や牧師や医者や職人や商人や郵便局員に成ることが出来た。

この世のあらゆる職業には道が通じており、

前提が有り、学校が有り、初心者の為の教授が在った。

ただ詩人にだけは、それが存在しなかった。

「詩人であること」、つまり詩人として成功し有名であることは許されており、

名誉とされていた。

ところが、「詩人に成ること」、それは不可能で有った。

詩人に成ろうと欲することは、もの笑いであり、恥じであった。

えてして人間というものは、

皆がそれぞれの食欲や好みから、

ご馳走をてんでに食い散らした残り物でしかない