ABC(あーべーつぇー)のべぇ、だから、かなり早い時期からシェルターの住民。
居て当然だった子。
三段ケージの上段から、まんまるのお顔まんまるのお目々でシェルター内を睥睨してた。
高齢だろうというので「べぇじい(爺)」と呼ばせてもらってた。
腎臓が悪いのに加え、涙目鼻づまりがほぼ常態化してたけど
しっかりした体躯で体力もあった。
お目々が大きいから目薬は狙いを定めなくても入ったけど
鼻ペチャで(失礼!)点鼻は難しかったよね。
ここ最近はストレスを与えない配慮からか投薬も控えていたけれど
食欲減退と大量の鼻水で5月1日に入院した。
誰も、たぶん誰も心配なんかしてなかった---と思う。
お薬か注射で鼻づまりが治れば食欲も戻って元気に復帰してくるとみんなが信じてた---と思う。
5月4日におーあみリーダーが生後間もない子ねこ4匹を保護し、幸い体温が戻って容態が落ち着いたのでご自宅に連れ帰ろうとしたときに、べぇじいの急変で呼び止められたのだそうです。
病院の先生が心臓マッサージをしてくださり、おーあみリーダーに見守られ、それでも残念ながらもう一度命を呼び戻すことはかないませんでした。
直後のおーあみリーダーのtweetです。
「なんとなくべぇちゃんが大切な命を子猫に譲ってくれたように思いますね。頑固じぃちゃんの優しさかな…。子猫達の命の重さがより大きくなったように思います。」
そうなのかもしれません。
でも、ダメだよ、そんなの! 最後の最後にカッコ良すぎるじゃないか!
べぇじいはべぇじいだよ!
腎臓病のせいで食べて良いものに制限があったし鼻づまりのために匂いが感じにくいこともあった。そこにお年寄り特有の気まぐれと頑固さも加わって、今日は何をどのくらい食べてくれるかとみんな気を使ってそれぞれ苦労していたと思う。
花かつおとか煮干しとか、そんなものがほんとは大好きだったんだと思う。
鼻づまりでも花かつおの匂いには遠くからでも敏感に気付いて
鼻をフゴフゴいわせながら待ってた。
けど、リンが多いからあげられるのはほんのちょっとだけ。
それでも粉々にして残してるフードにまぶすと喜んで食べてくれた。
こんなに残りわずかな命だったのなら、極上の花かつお、心ゆくまで味わわせてあげたかったよ~
おまえは一日一日ちゃんと真剣に生きてるのか! べぇじい最期の強烈な猫パンチ。
わたしはまだ受け止めきれずにいる。
(by あさい)